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「不幸の原因が、なんとなく分からない」
「ラッセルの幸福論を、論理的に整理して学びたい」
「アラン・ヒルティの次の幸福論を、楽しみに待っていた」
こんにちは、社会福祉士・ケアマネジャーをしているしおこめパパです。前シリーズ「ヒルティ編」を全30回で完結させ、今回から新シリーズ「3大幸福論編・ラッセル編」がスタートします。第①回として、ラッセル『幸福論』の全体像を5つの基本に整理してお届けします。
3大幸福論編はアラン→ヒルティ→ラッセルの順で各30回。今回はそのラスト・トリ、イギリスの哲学者・数学者・社会評論家バートランド・ラッセル(1872-1970)の『幸福論(The Conquest of Happiness, 1930)』に分け入っていきます。
幸福は与えられるものではなく、不幸の原因を取り除き、自分で獲得するもの。
ケアマネ業務で多くの方の人生を伺うと、「不幸を生むパターン」には驚くほど共通性があります。ラッセルが100年近く前に分析した不幸の原因と、現代の介護現場で見る不幸の原因は、不思議とほぼ同じ。ラッセルの視点は、科学者らしく冷静で、現代人にも親しみやすい力強さがあります。
ラッセル『幸福論』5つの基本
ここからご紹介する5つは、ラッセル『幸福論』全篇のエッセンスです。アラン(行動)、ヒルティ(規律)と並んで、ラッセル流の「分析と獲得」の幸福論を、5つに圧縮してお届けします。
① 幸福は「獲得」するもの──Conquest of Happiness
ラッセルの原書タイトルは『The Conquest of Happiness(幸福の獲得)』。「幸福は自然に訪れない、自分で獲得するもの」というのが、ラッセルの基本姿勢です。これはアランの「作る」、ヒルティの「規律で築く」と並ぶ、第三の能動的アプローチ。
幸福を待たず、自分で動いて獲得する。幸福は受け身ではなく、自分の手で勝ち取る。これがラッセル哲学の出発点です。
② まず「不幸の原因」を取り除く
ラッセルの戦略は明快で、「幸福を求める前に、不幸の原因を取り除け」。これは科学者らしいアプローチで、ラッセルは『幸福論』の前半を「不幸の原因」の分析に充てています。
不幸の主な原因として彼が挙げたのは、「比較癖」「自己中心的な関心」「働きすぎ」「嫉妬」「罪悪感」「世論への恐れ」など。これらを順に取り除くと、自然に幸福に近づくという発想です。
③ 「自分の外」に関心を広げる
ラッセルの核中の核は「自分中心の関心を、外の世界に広げる」こと。自分のことばかり考えていると、不幸が増殖する。逆に、外の世界(仕事、人、自然、思想)に関心を広げると、幸福が育つ――これがラッセルの強い主張です。
現代人は自分のことを考えすぎている、とラッセルは100年前から警告していました。外への関心が、幸福の入口。アドラー編⑥共同体感覚編「貢献感」とも完全に重なる視点です。
④ 「働きすぎ」と「退屈」、両方を避ける
ラッセルは「働きすぎは不幸、退屈も不幸」と書きました。両方の中間――適度な仕事と、適度な休息のバランス――が幸福を支える。これは現代のワークライフバランスの議論の原型でもあります。
仕事に没頭しすぎず、かといってだらだらせず。「ちょうどよい」を意識的に選ぶのがラッセル流。アラン編⑨仕事と退屈編とも完全に重なる視点です。
⑤ 「他人と比べない」
ラッセルは「比較癖こそ、現代人の最大の不幸の原因」と書きました。100年前から、人は他人と比べて不幸になっていた。現代のSNS時代では、その傾向が加速しています。
「他人と比べる代わりに、自分の足元を整える」。比較癖を手放すことが、幸福獲得の核です。アドラー編⑪劣等感編、アラン編⑬お金編、ヒルティ編⑱自己肯定編とも完全に重なる視点です。

ラッセルの『幸福論』を、もっと深めたい方へ
ここまでの5つの基本を読んで「ラッセルの『幸福論』を、原典から味わいたい」と感じた方には、『幸福論』(バートランド・ラッセル著・安藤貞雄訳/岩波文庫)がおすすめです。日本のラッセル読書のスタンダードで、定訳として広く認識されている翻訳。論理的で読みやすく、ラッセルの分析の鋭さがそのまま伝わります。
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ラッセル流は「分析と獲得」
幸福は獲得する、不幸の原因を取り除く、自分の外に関心を広げる、働きすぎと退屈の中間、比較しない――この5つは、ラッセル哲学の核です。アランが「作る」、ヒルティが「規律で築く」のに対し、ラッセルは「分析して獲得する」。3人の幸福論はそれぞれ違うけれど、不思議と核は重なります。
獲得できない日があってもいい
ラッセルの教えを学んでも、すぐに幸福になれるわけではありません。それでいいんです。獲得は時間がかかる。明日また、1つの不幸の原因を取り除けば、それで十分です。

あわせて読みたい一冊
ラッセル『幸福論』を、マンガで気軽に入りたい方には、『まんがでわかる ラッセルの『幸福論』の読み方』(小川仁志/宝島社)もおすすめです。累計285万部超「まんがでわかる」シリーズの一冊で、書店勤務の主人公がラッセルを通して幸福を探していくストーリー仕立て。マンガで楽しみながらラッセルの核がさっと身につきます。
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シリーズの今後について
次回②は「ラッセルに学ぶ不幸の原因5レッスン」をお届けします。ラッセルが分析した「比較癖」「自己中心」「働きすぎ」「嫉妬」「罪悪感」を整理します。「3大幸福論編・ラッセル編」はシリーズ全30回まで継続予定です。


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