ヒルティ⑰「苦悩と忍耐」5レッスン|抱える練習で育つ力

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「忍耐強くなりたいけど、すぐ折れてしまう」
「苦悩を抱え続けるのが、ただ辛い」
「ヒルティの忍耐論を、毎日に応用したい」

こんにちは、社会福祉士・ケアマネジャーをしているしおこめパパです。3大幸福論編・ヒルティ編⑰、テーマは「ヒルティに学ぶ苦悩と忍耐の5レッスン」です。

ヒルティ編⑤で「苦難との向き合い方」を扱いましたが、今回はその応用編――苦悩を抱えながら忍耐力を育てる視点を5つに整理してお届けします。逃げず、潰れず、淡々と苦悩を抱える技術です。

忍耐は才能ではない。苦悩を抱える練習で、誰でも育てられる力。

ケアマネ業務で「忍耐強い方」を見ていると、生まれつき強いのではなく、「苦悩との付き合い方を覚えた方」であることが多い印象です。ヒルティの教えは、その付き合い方を哲学的に渡してくれます。

ヒルティに学ぶ苦悩と忍耐の5レッスン

ここからご紹介する5つは、苦悩をなくす方法ではなく「苦悩と共に歩く力を育てる」視点です。今の苦悩のまま、自分側の力を育てる5つのカードです。

① 苦悩は「消すもの」ではなく「育つ栄養」

ヒルティは「苦悩から逃げる人は、忍耐力も持てない」と書きました。苦悩は人生の栄養素。逃げず、潰されず、抱え続ける中で忍耐は育ちます。

苦悩を「悪」と決めつけず、「育つ栄養」と捉え直す。アラン編⑭悲しみ編「抱えながら歩く」、ヒルティ編⑤と完全に重なる発想です。

② 「ゆっくりした時間」を意識的に持つ

ヒルティは「焦るほど、忍耐は痩せる」と書きました。苦悩の中で焦って動くと、たいてい悪化します。意識的にゆっくりした時間を持つことが、忍耐を育てます。

お茶を淹れる、ゆっくり歩く、本をめくる――こうした「速度を落とす」時間が、忍耐の場になります。アラン編㉙リチュアル編「同じ動作を儀式に」と完全に重なる実践です。

③ 「明日また」と区切る

ヒルティは「苦悩は今日のもの、明日にはまた今日が来る」と書きました。一度に解決しなくていい。今日できることをやって、明日また続ける。これが忍耐の本質です。

「今日はここまで」と意識的に区切る。区切りがあることで、忍耐は持続可能になります。アラン編㉑朝夜の習慣編「不機嫌を翌朝に持ち越さない」とも地続きの視点です。

④ 「苦悩を独りで抱えない」

ヒルティ編⑤の核ですが、忍耐の場面でも応用します。独りで抱え続けると、忍耐は枯渇する。家族、友人、専門家、ケアマネ――誰かに話す、書く、共有する。

話すことで、苦悩は半分になります。忍耐は孤独の中で削られるのがヒルティの観察。アドラー編⑯不安編、アラン編⑭悲しみ編と完全に重なる実践です。

⑤ 「忍耐の先にある景色」を信じる

ヒルティは「忍耐の先には、必ず別の景色がある」と書きました。今は見えなくても、抱え続けた人にだけ、見える世界がある。これが信仰的でもあり、希望的でもあるヒルティの結論です。

「いつか必ず変わる」と信じて、今日を抱える。信じる力が、忍耐を支える。ヒルティ編⑫信仰・支柱編「内側に戻れる場所」とも完全に重なる視点です。

A small flower refracted in rain droplets
Photo: Brocken Inaglory . Original uploader was Brocken I / CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons

ヒルティの『幸福論』を、もっと深めたい方へ

ここまでの5つのレッスンを読んで「ヒルティの苦悩論を、原典で深く読みたい」と感じた方には、『幸福論 第二部』(ヒルティ著・草間平作・大和邦太郎訳/岩波文庫)がおすすめです。苦難・忍耐・労働についての考察が特に豊かに語られた巻。苦悩を抱えている方の心の支えになる一冊です。

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忍耐は「抱える練習」で育つ

苦悩を栄養と捉える、ゆっくりした時間、明日と区切る、独りで抱えない、忍耐の先を信じる――この5つは、すべて「忍耐を育てる」実践です。生まれつきの強さではなく、誰でも育てられる力です。

忍耐が切れる日があってもいい

もう抱えきれない夜、限界を感じる朝、誰にも会いたくない週――どれも、あって当然です。切れる自分を、責めないでください。ヒルティも限界を持つ人間でした。明日また、ゆっくりした時間から戻れば十分です。

Fibroblast (BPAE)
Photo: Heiti Paves / CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons

あわせて読みたい一冊

夜のひとときに、ヒルティの言葉を忍耐の相棒として味わいたい方には、『眠られぬ夜のために 第一部』(ヒルティ著・草間平作・大和邦太郎訳/岩波文庫)もおすすめです。365日分の短い随想集で、苦悩の夜にそっと寄り添ってくれる相棒です。

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シリーズの今後について

次回⑱は「ヒルティに学ぶ自己肯定と勇気の5レッスン」をお届けします。「自分を信じる力をどう育てるか」を整理します。「3大幸福論編・ヒルティ編」はシリーズ全30回まで継続予定です。

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