※本記事はアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト等)を含みます。
このまま、今の会社で働き続けていいのだろうか。
辞めたい気もするけれど、辞めて後悔しないか、生活はどうなるか、自分にできる仕事があるのか——。
考えるほど答えが出ず、ただ毎日が過ぎていく。決められない自分に、また少し落ち込む。
こんにちは。社会福祉士・ケアマネジャーで、40代のパパです。私自身、転職を経て今の道にたどり着きました。新シリーズ「4人の哲学者に学ぶ 暮らしの実践編」第19話のテーマは、多くの働く人が抱える「転職すべきか迷う・現状維持か挑戦か」です。
転職は、正解のない大きな選択です。今日は、その迷いを整理し、後悔のない決断に近づくための、4人の哲学者の処方箋を5つお届けします。なお、これは「辞めるべき/辞めないべき」を決める記事ではなく、あなた自身が納得して選ぶための、考え方の処方箋です。
先に大事なことを。迷いがつらいのは、決断そのものより「決められないまま宙ぶらりんでいること」だったりします。だから目標は、急いで結論を出すことではなく、迷いを「整理できる形」に変えて、自分の軸で選べるようになることです。
「人生は、他人が決めた地図ではなく、自分で選んだ一歩の積み重ねである」
——アドラー心理学の趣旨より
福祉やキャリアの相談の現場では、「世間体」や「もったいない」で選んだ道に、後から苦しむ方を見てきました。一方、たとえ大変でも「自分で選んだ」という実感のある人は、強い。大切なのは、正解を当てることより、自分で納得して選ぶことです。
転職すべきか迷う時に効く 5つの処方箋
処方箋① 他人軸を手放し、「自分で決める」と覚悟する(アドラー)
アドラーは、自分の人生は自分で選ぶものだと説きました。転職の迷いがこじれるのは、しばしば「親がどう思うか」「世間体は」「もったいないと言われそう」と、他人の評価を判断軸にしているからです。他人軸で考える限り、本当に納得できる答えは出ません。
まず、「これは、私の人生の選択だ」と覚悟する。周りの意見は参考にしても、最終的に決めるのは自分。そして、どちらを選んでも引き受けるのは自分の課題です。他人軸を手放すと、迷いの霧が晴れ、「自分は本当はどうしたいのか」という、いちばん大事な問いが見えてきます。
処方箋② 漠然とした不安の「正体」に名前をつける(ラッセル)
ラッセルは、漠然とした不安は正体に名前をつければ半分は小さくなると説きました。「転職、不安だな」のままでは、いつまでも動けません。その不安が、具体的に「何」なのかを書き出してみることが、迷いの整理の第一歩です。
「収入が下がるのが怖い」「新しい環境に馴染めるか不安」「失敗したら戻れない」。紙に書き出すと、漠然とした塊が、対処できる具体的な項目に分かれます。そして、それぞれに「では、どうすれば備えられるか」を考える。名前のついた不安は、調べられ、備えられ、小さくできます。霧の正体が見えれば、足が動き出します。
処方箋③ 逃げの前に、今の場所でできることをやり切る(アラン)
アランは、上機嫌は行動から生まれると考えました。今がつらいと、「ここではないどこか」に答えがある気がします。でも、不機嫌なまま逃げるように転職すると、次の場所でも同じ不満を繰り返しやすい。問題が「環境」なのか「自分の向き合い方」なのか、見極めが必要です。
だから、決断の前に、今の場所で「できること」を一度やり切ってみる。上機嫌に働き方を工夫する、苦手な人との距離を変える、小さな改善を試す。それでも変わらないなら、それは「やり切ったうえでの転職」になり、後悔が減ります。逃げの転職か、前向きな転職か。その違いが、次の場所での幸福を分けます。

処方箋④ 誠実に「自分が大事にしたい価値」を見極める(ヒルティ)
ヒルティは、誠実に、何のために働くかを問い続けることを重んじました。転職の判断軸は、給料や知名度だけではありません。あなたが仕事に本当に求めているものは何でしょう。安定か、やりがいか、家族との時間か、成長か、人の役に立つ実感か。
自分が大事にしたい価値を、優先順位をつけて誠実に書き出してみる。そして、今の仕事と、転職先の候補が、その価値をどれだけ満たすかを照らし合わせる。判断軸が自分の中にはっきりすると、人の意見に流されず、ぶれない決断ができます。誠実に自分と向き合う時間が、後悔のない選択をつくります。
処方箋⑤ 「どこで貢献したいか」で選ぶ(アドラー)
最後に、4人の知恵を束ねる視点を。アドラーの「共同体感覚」です。仕事選びを「勝ち負け」や「年収の高さ」だけで考えると、選んでも満たされないことがあります。アドラーは、人の幸福は「貢献感」にあると説きました。
そこで、「どこでなら、自分は気持ちよく誰かの役に立てるか」を問うてみる。どんな人を、どんなふうに支える仕事に、心が動くか。条件のスペック比べではなく、「貢献の実感」を判断軸に加える。転職するにせよ、残るにせよ、「ここで役に立ちたい」と思える場所を選べたなら、その選択はきっと、あなたを幸福にします。
働くことと自分の関係を、見つめ直したい方へ
「何のために働くのか」を見つめ直したい方には、岩井俊憲さんの『働く人のためのアドラー心理学』(朝日新聞出版)がおすすめです。仕事の悩みや人間関係、キャリアの選択を、アドラー心理学の視点でやさしく解きほぐす一冊。転職するかどうかに関わらず、働くことへの向き合い方が、すっと整理されます。
迷えるのは、人生を真剣に生きている証拠
5つの処方箋を束ねます。①他人軸を手放し自分で決める(アドラー)、②不安の正体に名前を(ラッセル)、③今の場所でできることをやり切る(アラン)、④大事にしたい価値を見極める(ヒルティ)、⑤どこで貢献したいかで選ぶ(アドラー)。今日は、ひとつだけ。
そもそも、転職を迷えるのは、あなたが自分の人生を真剣に考えている証拠です。どうでもよければ、迷いもしません。その真剣さがあれば、どちらを選んでも、きっと納得のいく道にしていけます。焦らず、自分の軸で、一歩を選んでください。
決められない日が、あってもいい
どれだけ考えても決められない日があっても、自分を責めないでください。大きな決断には、心が準備を整える時間が必要です。哲学は、急いで結論を迫る鞭ではなく、迷いに寄り添う杖です。今日は、紙に不安と望みを書き出すだけでも、十分な前進です。答えは、あなたの中で、少しずつ形になっていきます。

あわせて読みたい一冊
処方箋②「不安の正体に名前をつける」の原点を味わいたい方は、ラッセルの『幸福論』(安藤貞雄 訳・岩波文庫)をぜひ。漠然とした不安や、他人との比較から自由になる知恵が、静かな説得力で語られます。大きな選択を前に、心を落ち着けて自分と向き合うための、頼もしい一冊です。
もっと体系的に学びたい・誰かに相談したい方へ
そして、もし迷いや仕事のつらさで、眠れない・気分が沈む日が続くなら——一人で抱え込まないでください。専門家に話すのは弱さではなく賢さです。キャリアの相談窓口や、気持ちを整理するカウンセリングもあります。オンラインで顔出しなしに話せる相談もあります。早めに頼ることが、いちばんの近道です。
▶ 人間関係・恋愛・仕事などの心理相談を始めるなら【Kimochi】(公認心理師・初月2,980円〜)
仕事や職場のことで思いつめてしまう日は、「転職という選択肢もある」と知っておくだけで、気持ちがふっと軽くなることがあります。登録も相談も無料なので、まずは情報を集める入り口として。↓
このシリーズの今後について
「4人の哲学者に学ぶ 暮らしの実践編」は、夫婦・子育て・職場の身近な悩みに、アドラーと3大幸福論の知恵を効かせていくシリーズです。次回は夫婦編「子どもが巣立ったあと、これからの二人への処方箋」。毎朝6時に更新していきます。今日は、不安と望みを、紙に書き出してみてください。


コメント