ヒルティ㉗「死との向き合い方」5レッスン|死は生を整える師

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「死を考えると、心がざわつく」
「死を遠ざけずに、向き合いたい」
「ヒルティの死生観を、現代の暮らしに応用したい」

こんにちは、社会福祉士・ケアマネジャーをしているしおこめパパです。3大幸福論編・ヒルティ編㉗、テーマは「ヒルティに学ぶ死との向き合い方5レッスン」です。

ヒルティは『幸福論』で「死を考えることで、生は深まる」と書きました。死を遠ざけるほど、生はかえって粗くなる。今日はその核を5つに整理してお届けします。

死を意識する人だけが、今日を大切に生きられる。

ケアマネ業務で看取りの場に立ち会うと、「死を遠ざけてきた方」ほど、最後の時間に苦しまれる印象があります。逆に、死を考えてきた方は穏やかに過ごされます。ヒルティの教えは、その整え方を渡してくれます。

ヒルティに学ぶ死との向き合い方5レッスン

ここからご紹介する5つは、悲観的な視点ではなく「死を見据えることで生を整える」視点です。

① 「死を意識する時間」を持つ

ヒルティは「死を遠ざける人は、生を粗末にする」と書きました。1日に少しでも、死を意識する時間を持つ。これは暗くなる行為ではなく、生を引き締める実践です。

「もし明日が最後なら、今日何をするか」を問う。死を意識すると、優先順位が整う。アラン編⑫病老死編、⑲ストア派編「メメント・モリ」とも完全に重なる視点です。

② 「やり残しを減らす」

ヒルティは「やり残しを減らすほど、死は怖くなくなる」と書きました。大切な人へのありがとう、伝えたい言葉、やってみたいこと――これらを後回しにしない。

今日できる「ありがとう」を伝える、今週やりたいことを1つ実行する。やり残しを減らすことが、死の準備です。

③ 「準備しておく」

ヒルティは「準備のない死は、家族を困らせる」と書きました。エンディングノート、財産、思い、希望――これらを若いうちから整えておく。これは家族への最後の贈り物です。

40代から少しずつ準備を始める。準備は、安心の土台。ケアマネとして繰り返しお伝えしている真理です。

④ 「ふだん通り」を最大の準備とする

ヒルティは「ふだん通りに生きてきた人だけが、ふだん通りに死ねる」と書きました。特別な何かを残すよりも、毎日を誠実に生きることが、最大の死の準備です。

規律、誠実、感謝、勇気――ヒルティ編で繰り返した実践こそ、死の準備です。ふだん通りの暮らしが、最も美しい最期を作ります

⑤ 「死の先」を信じる

ヒルティの宗教色が出る箇所ですが、現代でも応用できます。「死は終わりではなく、別の何かへの移行」と信じることが、心の支えになります。信仰でも、思い出が残ることでも、子孫に何かを渡すことでも。

「自分の死後にも、何かが残る」と信じる。信じる力が、死を和らげる。ヒルティ編⑫支柱編⑰忍耐編とも完全に重なる視点です。

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Photo: Agnes Monkelbaan / CC BY-SA 4.0 via Wikimedia Commons

ヒルティの『幸福論』を、もっと深めたい方へ

ここまでの5つのレッスンを読んで「ヒルティの死生観を、原典で深く読みたい」と感じた方には、『幸福論 第二部』(ヒルティ著・草間平作・大和邦太郎訳/岩波文庫)がおすすめです。苦難・死・人生についての考察が深く語られた巻です。

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死は「敵」ではなく「生を整える師」

死を意識する、やり残しを減らす、準備しておく、ふだん通りを最大の準備に、死の先を信じる――この5つは、すべて「死を見据えることで生を整える」実践です。

死を考えるのが怖い日があってもいい

死を直視できない朝、考えるとざわざわする夜、何も準備したくない週――どれも、あって当然です。怖がる自分を、責めないでください。明日また、ふだん通りから戻れば十分です。

Aekingerzand Nationaal Park Drents-Friese Wold. 11
Photo: Agnes Monkelbaan / CC BY-SA 4.0 via Wikimedia Commons

あわせて読みたい一冊

夜のひとときに、ヒルティの言葉を死との向き合い方の支えとして開きたい方には、『眠られぬ夜のために 第二部』(ヒルティ著・草間平作・大和邦太郎訳/岩波文庫)もおすすめです。365日の随想で、夜の相棒に最適です。

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シリーズの今後について

次回㉘は「ヒルティに学ぶ真の幸福とは何か5レッスン」をお届けします。「3大幸福論編・ヒルティ編」はシリーズ全30回まで継続予定です。

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