※本記事はアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト)を含みます。紹介している書籍は、筆者が内容を確認したうえで掲載しています。
「毎日子どもを叱ってばかりで、自己嫌悪になる」
「一生懸命やっているのに、子どもに伝わっていない気がする」
「『良い親』であろうとするほど、しんどくなっていく」
こんにちは、社会福祉士・ケアマネジャーをしているしおこめパパです。アドラーの教え編②、テーマは「子育てで疲れたときに効くアドラー」5レッスンです。
①でアドラー心理学の5つの基本(課題の分離・目的論・共同体感覚・勇気づけ・自己受容)をお伝えしました。今回はそれを、子育てのいちばん消耗する場面に当てはめていきます。
子育てがしんどいのは、愛情が足りないからではなく、「自分の課題」と「子どもの課題」が混ざっているから。境界線を引き直すだけで、肩の荷はかなり軽くなります。
社会福祉士の現場でも、支援者が「相手の人生まで背負おうとして」消耗するのはよくあること。子育ても構造は同じです。アドラーの教えは、「愛情を減らさずに、消耗だけを減らす」ための地図になります。
子育ての消耗に効く5つのレッスン
①の5つの基本を、子育ての具体場面に落とし込みます。
① 課題の分離:宿題・成績・友達関係は「子どもの課題」
宿題をやるかやらないか、その結果どうなるか――最終的に引き受けるのは子どもです。つまりこれは子どもの課題。親ができるのは「環境を整える」「求められたら手伝う」までで、無理やりやらせることではありません。
「やりなさい」と言い続けて親が疲れるのは、子どもの課題に踏み込みすぎているサイン。「宿題をやらないと困るのは誰か?」と一度問い直すと、関わり方の力の入れどころが変わります。見捨てるのではなく、「信じて、求められたら応じる」位置に立ち直すイメージです。
② 目的論:困った行動の「目的」を見る
子どもが急にぐずる、わざと困らせる、宿題を投げ出す――アドラーは、こうした行動には必ず「目的」があると考えます。多くは「注目してほしい」「自分を認めてほしい」「自信のなさを隠したい」のいずれか。
「なんでこんなことするの!」と原因を責めるより、「この子はこの行動で、何を得ようとしている?」と目的を見る。注目が目的なら、困った行動ではなく普通にしているときに注目を向ける――それだけで、困った行動は自然と減っていきます。
③ 勇気づけ:「ほめる子育て」から「勇気づける子育て」へ
「えらいね」「すごいね」「100点とれてえらい」――ほめ言葉は一見よさそうですが、アドラーは「ほめる=上から評価する=条件つきの愛」になりやすいと指摘します。ほめられ続けた子は「ほめられないと不安」「評価されることが目的」になりがち。
代わりに使うのが勇気づけ。「手伝ってくれてありがとう、助かったよ」「一緒にやれて楽しかった」「あなたが工夫したところ、お父さん気づいてたよ」――結果ではなくプロセスや存在に、横並びの目線で言葉をかける。子どもは「評価されるため」ではなく「自分でやりたいから」動くようになります。
④ 共同体感覚:子どもに「役に立てた喜び」を持たせる
アドラーが子育てで重視するのが、子どもの中に「自分は家族の役に立っている」という感覚を育てること。お手伝い、ペットの世話、下の子のサポート――「ありがとう、助かった」と伝えられた経験が、子どもの自己肯定感の土台になります。
そして親自身も、ここで共同体感覚を思い出してほしい。子育てに疲れたとき「自分のがんばりは無駄では」と感じたら、「子どもが今日笑えたのは、あなたがそこにいたから」。貢献感は誰かの評価ではなく、自分の中で確かめるものです。
⑤ 自己受容:「完璧な親」をやめる
子育てがいちばんしんどくなるのは、「理想の親像」と「現実の自分」のギャップに、自分でダメ出しを続けるとき。アドラーの自己受容は、「完璧な親になる」ことではなく「不完全な親である自分を、出発点として認める」ことです。
「今日もガミガミ言ってしまった、でもそれが今の自分。明日また選び直そう」――その日のうちに小さく区切る。完璧な親より、失敗して謝れる親のほうが、子どもにとってはずっと安心できる存在です。
アドラー心理学を、もっと深めたい方へ
ここまでの5つのレッスンを「もっと具体的な場面で見てみたい」と感じた方には、『マンガでよくわかる アドラー流子育て【新版】』(岩井俊憲 著/かんき出版)がおすすめです。マンガのストーリーを追ううちに、叱る・ほめるに頼らない関わり方が自然とイメージできる一冊です。

「愛情の量」ではなく「関わり方の設計」を変える
子育ての疲れは、愛情不足のせいではありません。課題が混ざり、評価で動かそうとし、完璧を求める――この3つが重なると、どれだけ愛情があっても消耗します。アドラーの5レッスンは、愛情を減らさずに「関わり方の設計」だけを変える方法。今日から1つだけでも試してみると、子どもの反応より先に、自分の心の軽さで効果を感じられるはずです。
うまくいかない日があってもいい
課題の分離を忘れて怒鳴ってしまった日、ほめ言葉が口をついて出た日、完璧を求めて空回りした日――そんな日はあって当たり前です。アドラーの教えは「できた/できない」で自分を採点する道具ではありません。夜に「今日は課題が混ざっちゃったな」と気づくだけで十分。気づける親は、もう半分できている。明日また、5つのうちどれか1つを思い出せばいいのです。
あわせて読みたい一冊
今回の学びを毎日の声かけに活かしたい方は、『子どもをのばすアドラーの言葉 子育ての勇気』(岸見一郎 著/幻冬舎)もおすすめです。『嫌われる勇気』の著者が、子どもとの関わりで使えるアドラーの言葉をやさしくまとめた一冊で、肩の力を抜くヒントが見つかります。

シリーズの今後について
次回③は「対人関係(職場・友人)で疲れたときに効くアドラー」5レッスン。同じ5つの基本を、今度は大人の人間関係に当てはめていきます。④以降は各概念をひとつずつ深掘りしていく予定です。


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