反抗期で言うことを聞かない子|イライラする親に効く4哲学者の処方箋

※本記事はアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト等)を含みます。

「うるさいな」「べつに」「ほっといてよ」——何を言っても、返ってくるのは反抗ばかり。
良かれと思って言ったのに、にらまれて、ドアをバタン。
かわいかったあの子はどこへ行ったんだろう、と、ため息が出る夜がある。

こんにちは。社会福祉士・ケアマネジャーで、二児の父の40代パパです。新シリーズ「4人の哲学者に学ぶ 暮らしの実践編」第12話のテーマは、多くの親が頭を抱える「反抗期・言うことを聞かない子」です。

我が家でも、反抗的な態度に、こちらがカッとなって衝突…を繰り返した時期があります。でも、力でねじ伏せようとするほど、反抗は激しくなる。今日は、反抗期の子と消耗戦にならず、関係をつなぎ続けるための、4人の哲学者の処方箋を5つお届けします。

先に大事なことを。反抗は、わがままではなく「自立のサイン」です。子どもが「自分」を育てようとして、親に押し返してくる。つまり反抗期は、順調に育っている証拠でもあります。だから目標は、反抗をなくすことではなく、ぶつかりながらも信頼の糸を切らさないことです。

「子どもは、支配されることには反発するが、信頼されることには応えようとする」

——アドラー心理学の趣旨より

福祉の現場では、思春期に親との関係がこじれたまま大人になった方にも出会います。一方で、ぶつかっても「見捨てられなかった」記憶のある子は、しなやかに自立していく。反抗期にいちばん大切なのは、勝つことではなく、「何があっても味方だ」という土台を残すことです。

反抗期の子に効く 5つの処方箋

処方箋① 支配をやめ、横に立って「相談」する(アドラー)

アドラー心理学は、親子を「縦」ではなく「横」の関係で見ます。反抗期の衝突の多くは、「親が上から命令し、子が押し返す」縦の構図で起きています。「○○しなさい」と支配しようとするほど、子は意地でも従いたくなくなる。

そこで、命令を相談に変える。「○○しなさい」を「どうするのがいいと思う?」に。子どもを、一人の対等な人として扱い、自分で決める余地を渡す。支配されると反発する子も、信頼されると応えようとします。横に立つだけで、反抗のエネルギーは、ぶつかり合いから対話へと向きを変えます。

処方箋② 反抗に、こちらが「不機嫌」で応じない(アラン)

アランは、不機嫌は伝染すると言いました。子どもの反抗的な態度にカッとなって、親も不機嫌で返すと、火に油です。反抗のトゲを、同じ強さで投げ返す——その応酬が、ただの感情のぶつけ合いに発展していきます。

だから、反抗されても、まず自分の上機嫌を守る。心の中で「反抗は自立の練習」とつぶやき、トーンを落とす。深呼吸して、ひと呼吸おく。親が荒れなければ、衝突はエスカレートしません。上機嫌は、反抗期の家庭に必要な、いちばん効く消火器です。

処方箋③ 反抗の「下」にある本音に、名前をつける(ラッセル)

ラッセルは、感情の正体に名前をつければ半分は対処できると説きました。「うるさい」「べつに」という反抗の言葉の下には、たいてい別の本音が隠れています——わかってほしい、認めてほしい、自分のことは自分で決めたい。

反抗の言葉そのものに反応せず、その下の本音に目を向ける。「自分で決めたいんだね」と、隠れた気持ちに名前をつけて返してあげると、子どもは「わかってもらえた」と感じ、トゲが少し抜けます。反抗は、拒絶ではなく「もっと自分を尊重して」というサイン。そう読み替えるだけで、対応はやわらかくなります。

渓谷の風景
Photo: Myrabella / CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons

処方箋④ ルールは、ブレずに誠実に守る(ヒルティ)

ヒルティは、規律と誠実を重んじました。横の関係や勇気づけは「甘やかし」ではありません。守るべき一線は、ブレずに、誠実に守る。その日の機嫌で基準が変わると、子どもは反抗の手応えを覚え、さらに押してきます。

大切なのは、ルールを「数を絞って」「一貫して」運用すること。あれもこれも禁止するのではなく、「人を傷つけない」「約束は守る」など、本当に大事な一線だけは、穏やかに、しかし揺るがず守る。そして親自身も約束を守る背中を見せる。誠実で一貫した枠は、反抗期の子に、安心できる手すりを与えます。

処方箋⑤ 反抗する子こそ、できているところを勇気づける(アドラー)

最後に、4人の知恵を束ねる視点を。アドラーの「勇気づけ」です。反抗期は、親も子も「ダメ出しの応酬」になりがちです。でも、欠点ばかり指摘される子は、「どうせ自分なんて」とますます荒れる。これが反抗の悪循環です。

だから、反抗する子こそ、意識して「できていること」に光を当てる。「自分で起きられたね」「約束、守ってくれてありがとう」。当たり前のことでいい。勇気づけられた子は、「自分は信頼されている」と感じ、反抗で確かめる必要がなくなっていきます。叱る回数より、認める回数を一つ増やす。それが、いちばん深い処方です。

反抗期の子育てを、もっと深めたい方へ

子どもの自立と、それを支える関わりを深く学びたい方には、アドラー自身の『子どもの教育』(アルフレッド・アドラー著・岸見一郎 訳/アルテ)がおすすめです。子どもの「自立への意志」をどう尊重し、勇気づけるか——アドラー教育論の原点が、わかりやすい訳で読める一冊。反抗期の見方が、根本から変わります。

▶ アドラー『子どもの教育』をAmazonで見る

反抗は、ちゃんと育っている証拠

5つの処方箋を束ねます。①支配をやめ横に立って相談(アドラー)、②不機嫌で応じない(アラン)、③反抗の下の本音に名前を(ラッセル)、④ルールはブレず誠実に(ヒルティ)、⑤できているところを勇気づける(アドラー)。今日は、ひとつだけ。

そもそも、子どもが反抗できるのは、親を「安全な相手」だと信じているからです。本当に怖い相手には、人は反抗しません。反抗は、「あなたになら、本音をぶつけても大丈夫」という信頼の裏返し。そう思えると、にらまれた夜も、少しだけ誇らしく感じられるはずです。

ぶつかってしまう日が、あってもいい

反抗にカッとなって、ぶつかってしまう日があっても、自分を責めないでください。反抗期は、親も試される時期。完璧に対応できる親なんていません。哲学は、できない自分を裁く鞭ではなく、明日もう一度向き合うための杖です。今日ぶつかったなら、寝る前に「おやすみ」だけは、いつも通り言ってあげてください。その一言が、信頼の糸をつないでいます。

滝の風景
Photo: Tiago Fioreze / CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons

あわせて読みたい一冊

処方箋③「本音に名前をつける」の原点を味わいたい方は、ラッセルの『幸福論』(安藤貞雄 訳・岩波文庫)をぜひ。漠然とした感情を名指しし、扱える形に変えていく知恵が、静かな説得力で語られます。子どもの反抗に振り回される前に、親自身が感情を整える——その土台をくれる一冊です。

▶ ラッセル『幸福論』(岩波文庫)をAmazonで見る

もっと体系的に学びたい・誰かに相談したい方へ

叱る・支配するから、信頼して勇気づける子育てへ。その土台になるアドラー心理学を体系的に学び直したい方には、資格講座という選択肢もあります。反抗期の関わり方が、独学よりも順序立てて身につきます。もっとアドラー心理学を極めたい方はこちら↓。

アドラー心理学資格講座

そして、もし「反抗がひどく、関係が完全にこじれてつらい」「自分のイライラを抑えられない」と感じるなら——専門家に話すのは弱さではなく賢さです。親が気持ちを整理できると、子どもへの関わりも変わります。オンラインで顔出しなしに話せるカウンセリングもあります。「まだ大丈夫」のうちが、いちばん効くタイミングです。

公認心理師によるオンライン心理カウンセリングKimochi

▶ 人間関係・恋愛・仕事などの心理相談を始めるなら【Kimochi】(公認心理師・初月2,980円〜)

このシリーズの今後について

「4人の哲学者に学ぶ 暮らしの実践編」は、夫婦・子育て・職場の身近な悩みに、アドラーと3大幸福論の知恵を効かせていくシリーズです。次回は職場編「完璧主義・ミスが怖くて疲れる人への処方箋」。毎朝6時に更新していきます。今日は、子どものできているところを、ひとつ言葉にしてみてください。

このシリーズの土台になった記事

コメント

タイトルとURLをコピーしました