※本記事はアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト)を含みます。紹介している書籍は、筆者が内容を確認したうえで掲載しています。
「子育てに疲れて、誰にもわかってもらえない気がする」
「職場の人間関係で、毎日心がすり減っている」
「『嫌われる勇気』を読んでみたけど、実生活でどう使えばいいかわからない」
こんにちは、社会福祉士・ケアマネジャーをしているしおこめパパです。
今回から新シリーズ「アドラーの教え編」を始めます。
アドラー心理学は、フロイト・ユングと並ぶ三大心理学のひとつ。日本では『嫌われる勇気』のヒットで一気に知られましたが、本当の価値は「日常で使える」こと。子育てで疲れたとき、対人関係でくたびれたとき、心の中に置いておくと回復が早くなる教えがいくつもあります。
アドラーは「人生の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と言いました。逆に言えば、対人関係への向き合い方さえ変われば、悩みの多くは軽くなります。
このシリーズは1記事に5レッスン × 10投稿の構成で進めます。①は土台として、アドラー心理学の5つの基本概念を提示。②以降で、子育て・夫婦関係・職場・友人関係・自分との付き合い方など、生活シーンに当てはめて深掘りしていきます。
アドラー心理学が「疲れたときに効く」3つの理由
- 「変えられないもの」と「変えられるもの」をはっきり分けるので、消耗が減る
- 過去ではなく未来を見るので、後悔の沼にはまりにくい
- 誰かのために生きるのではなく、自分の人生を生きる視点を取り戻せる
特に、社会福祉士の現場で他者の人生に向き合っていると、知らないうちに自分のエネルギーまで吸い取られがちです。アドラーの教えは、そんな対人援助職の自分を立て直すうえでも、現実的に役立ちます。
アドラー心理学の5つの基本
① 課題の分離:それは「誰の課題」かを切り分ける
対人関係で疲れる原因の多くは、「他人の課題」に踏み込みすぎることから生まれます。アドラーは「最終的に結果を引き受けるのは誰か?」でその課題の持ち主を判断するよう促します。
子どもが宿題をやらない――それは子どもの課題。叱り続けて親が疲弊するのは、課題の境界線を越えているサイン。「気にしている自分の気持ち」と「子どもの選択」を分けて見ると、関わり方が変わります。
応用:仕事で「あの人の機嫌が悪いのは私のせい?」と感じたとき、「相手の気分は相手の課題」と切り分けるだけで、肩の力が抜けます。
② 目的論:「なぜ」より「何のために」で考える
アドラーは「人の行動には原因(過去)ではなく、目的(未来)がある」と考えます。子どもが学校に行きたがらないとき、「過去に何があった?」と原因探しをするのも大事ですが、それ以上に「いま、何を避けたい?何を得たい?」と目的を見るほうが、解決の糸口が見えやすい。
応用:自分が怒っているとき、「相手のせいで怒っている(原因論)」ではなく、「自分は怒ることで何を達成しようとしている?(目的論)」と問い直すと、感情のコントロールが効きやすくなります。
③ 共同体感覚:「自分は誰かの役に立っている」という感覚
アドラー心理学が最終的に目指す状態が「共同体感覚」。具体的には、自分が家族・地域・社会の一員であると感じ、誰かの役に立てているという実感がある状態を指します。
子育てで疲れたとき、「自分のがんばりは無駄なんじゃないか」と感じる瞬間がある。そんなときに思い出したいのが、「誰かが今日笑えたのは、あなたがそこにいたから」という、当たり前のように見えて見落としがちな事実。
応用:仕事で評価されないと感じるときも、「貢献感」は他人の評価ではなく自分の中で生まれるものだ、と思い出す。
④ 勇気づけ:褒めるでも叱るでもなく、「あなたはあなたでいい」を伝える
アドラーは褒めるのも叱るのも避けるべきと説きます。どちらも「相手を評価する=上下関係をつくる」行為だから。代わりに使うのが「勇気づけ」。「ありがとう」「助かったよ」「一緒にやれて嬉しかった」のように、横並びの感謝と共感を伝える。
応用:子どもへの「えらいね、よくできたね」を、「ありがとう、うれしいよ」に置き換えるだけで、子どもは「評価される人生」から「貢献できる人生」へ視点が変わっていきます。
⑤ 自己受容:「いまの自分」をそのまま肯定する
自分を変えようとして空回りしてしまうとき、アドラーは「自己受容」から始めることを勧めます。「自分を肯定する」(自己肯定)ではなく、「ダメな自分も含めて、ここがスタート地点だと受け入れる」のが自己受容です。
「子どもにすぐ怒ってしまう自分」「人付き合いが苦手な自分」――そういう自分にダメ出しを続けると、エネルギーは減るばかり。「いまの自分を、まずスタート地点として認める」ことから、次の一歩が踏み出せます。
応用:失敗した日、「今日はうまくいかなかった、でもそれが今の自分。明日また選び直そう」と、その日のうちに小さく区切る。
アドラー心理学を、もっと深めたい方へ
ここまでの5つのレッスンを読んで「アドラー心理学の全体像を、もっと体系的に学びたい」と感じた方には、アドラー心理学の入門書として名高い『嫌われる勇気』(岸見一郎・古賀史健 著/ダイヤモンド社)がおすすめです。哲人と青年の対話形式で、むずかしい理論がやさしく腑に落ちる一冊です。

5つは「セット」で覚える
5つのレッスンは、別々の道具ではなく「セット」で機能します。
- 課題の分離で、消耗の入り口を絞る
- 目的論で、感情の振り回しを減らす
- 共同体感覚で、自分の存在の意味を確かめる
- 勇気づけで、上下関係でない関わり方を選ぶ
- 自己受容で、いまの自分を出発点にする
この5つを暮らしの中に置いておくだけで、疲れの正体に名前がつき、回復の速度が変わってきます。
うまく使えない日があってもいい
「課題の分離ができなかった日」「ついカッとなって、目的論なんて忘れた日」「勇気づけのつもりが評価になってしまった日」――そんな日はあって当たり前です。アドラーの教えは、完璧に使うものではなく、「ふと思い出して、また使う」もの。寝る前に「今日はどこで分離できなかったかな」と振り返るだけで、明日の選び方が変わっていきます。
あわせて読みたい一冊
今回の学びを毎日の暮らしに根づかせたい方は、続編にあたる『幸せになる勇気』(岸見一郎・古賀史健 著/ダイヤモンド社)もおすすめです。理論を「どう実践するか」に踏み込んだ一冊で、5つの基本を毎日の暮らしで使うヒントが見つかります。


シリーズの今後について
「アドラーの教え編」は、1記事5レッスン × 全10回の予定です。
- ② 子育てで疲れたときに効くアドラー 5レッスン
- ③ 対人関係(職場・友人)で疲れたときに効くアドラー 5レッスン
- ④ 「課題の分離」の使い方を深掘り 5レッスン
- ⑤ 「目的論」の使い方を深掘り 5レッスン
- ⑥ 「共同体感覚」の育て方 5レッスン
- ⑦ 「勇気づけ」の実践 5レッスン
- ⑧ 「自己受容」を日常で続ける 5レッスン
- ⑨ アドラー × 夫婦・パートナー 5レッスン
- ⑩ アドラー流「幸福論」――自分を生きるための5つの問い
社会福祉士・ケアマネとして、対人援助の現場で実際に役立ってきた視点も織り交ぜながら、毎回「明日から1つ試せる」レッスンにしていきます。


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