アラン㉓「人生後半・老いる勇気」5レッスン|衰えでなく四季の一つ

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「自分の老いが、ふと気になる瞬間が増えてきた」
「人生後半を、どう生きていけばいいか分からない」
「アランの言葉で、年を重ねる勇気がほしい」

こんにちは、社会福祉士・ケアマネジャーをしているしおこめパパです。3大幸福論編・アラン編㉓、テーマは「アランに学ぶ人生後半・老いる勇気5レッスン」です。

アラン編⑫で「病・老い・死との向き合い方」を扱いましたが、今回はそれをもう一段深く、自分自身の老いに引きつけた視点で整理します。アラン自身、第二次大戦中も執筆を続け、長い人生を生き抜いた人。その後半人生の知恵を、5つに整理してお届けします。

老いは衰えではなく、人生の四季のひとつ。秋には秋の、冬には冬の上機嫌がある。

ケアマネ業務で年配の方々と関わってきて確信しているのは、年齢ではなく、季節を受け入れた人ほど、晩年が穏やかだということです。アランの『四季をめぐるプロポ』にも、季節とともに人生を生きる視点が織り込まれています。今日はその核を5つに渡します。

人生後半・老いる勇気アランの5レッスン

ここからご紹介する5つは、50代・60代・70代以降のどの世代にも効きます。「これからの時間を、自分の物差しで使う」ための実践として、読んでみてください。

① 年齢を「衰え」ではなく「季節」と捉える

アランは『四季をめぐるプロポ』で「人生にも春夏秋冬がある」と書きました。秋には秋の収穫があり、冬には冬の静けさがある。若さを失うのは喪失ではなく、別の季節への移行です。

「もう若くない」を「いま秋の時期にいる」と言い換える。季節と捉えれば、衰えではなく、変化として受け止められる。これはアドラー編㉓老いる勇気編「衰えを成熟に書き換える」と完全に同じ実践です。

② 「身体は変わるが、上機嫌は作れる」

アラン編②⑪で繰り返した「身体から心を整える」を、年齢に合わせて再調整します。激しい運動は減らす、深呼吸と姿勢は続ける、ゆっくり歩く、よく眠る――身体の使い方を年齢に合わせて整える

身体が変わっても、上機嫌は作れます。アランは「気分は習慣」と言い続けました。習慣を年齢に合わせて再設計するのが、人生後半の整え方。介護現場で穏やかな晩年を過ごす方ほど、この再設計が上手です。

③ 「過去の自分」を悔やまない──意味の書き換え

アラン編⑤と⑲で扱った「意味は事後に作れる」を、人生後半に応用します。過去の選択、過去の失敗、過去の関係――どれも今から意味を書き換えられます。「あの経験があったから、今の自分がある」と意味づける練習です。

後悔のループに入ったら、意味の書き換え。過去は変えられないが、過去の意味は今から作れる。これはアドラー編⑤目的論編とも完全に同じ実践です。50代以降に、特に効く視点です。

④ 「これからの貢献」を新しく描く

アドラー編㉓「縦の貢献」と地続きの実践です。アランは「人生のどの時期にも、その時期にしかできない貢献がある」と書きました。子育てが終わっても、退職しても、別の貢献は必ずある。

地域の小さなボランティア、孫との時間、若い世代へのメッセージ、自分の経験を文字に残す――どれも貢献感の原料です。「自分なんて」とは思わない。今の自分にできる小さな貢献を、毎日見つける。それが上機嫌の燃料です。

⑤ 「死を意識する」が、今日を整える

アラン編⑫病老死編、⑲ストア派編で扱った「メメント・モリ」を、人生後半に深く根づかせます。死を遠ざけず、毎日意識する。すると、今日が大切に思えてきます。死を考えることで、生が整うのがアラン×ストア派の核心です。

「もし明日が最後なら、今日何をするか」を、1日5分でいいから問う時間を持つ。重く感じる必要はありません。答えはたいてい「家族と話す」「好きなものを味わう」というシンプルなもの。それが今日の優先順位を整えてくれます。

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Photo: Martin St-Amant (S23678) / CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons

アランの『幸福論』を、もっと深めたい方へ

ここまでの5つのレッスンを読んで「アランの言葉を、季節とともに味わいたい」と感じた方には、『四季をめぐる51のプロポ』(アラン著・神谷幹夫訳/岩波文庫)がおすすめです。アランの膨大なプロポから、季節にちなんだ51篇を岩波文庫が選んだ選集。人生の四季を生きる視点が、行間に静かに織り込まれています。

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老いは「終わり」ではなく「次の季節」

年齢を季節と捉え、身体に合わせて上機嫌を作り、過去の意味を書き換え、これからの貢献を描き、死を意識して今日を整える――この5つは全部、「人生後半を、別の季節として生きる」実践です。老いは終わりではなく、次の季節。秋には秋の、冬には冬の上機嫌が必ずあります。

老いを受け入れられない日があってもいい

鏡の自分にがっかりする朝、若い人を見て焦る午後、過去を悔やんで眠れない夜――どれも、あって当然です。受け入れられない自分を、責めないでください。受け入れは、勝ち取るものではなく、毎日少しずつ染み込ませるもの。今日は受け入れられなくても、明日また向き合えれば十分です。

360° Gottvaterspitze Walgau Rätikon
Photo: Feel free to use my photos, but please mention me / CC BY-SA 3.0 at via Wikimedia Commons

あわせて読みたい一冊

アランのプロポを、本格的な選集で味わいたい方には、『プロポ 1』(アラン著・山崎庸一郎訳/みすず書房)もおすすめです。『幸福論』を超えて、アランが日々書き続けた哲学的随想を本格的に読める一冊。人生後半に、ゆっくり噛みしめながら読むのに最適です。

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シリーズの今後について

次回㉔は「アランに学ぶ完璧主義からの自由5レッスン」をお届けします。完璧を求めず、毎日に上機嫌を仕込むアラン的アプローチを整理します。「3大幸福論編・アラン編」はシリーズ全30回まで継続予定です。

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