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「年を重ねるほど、新しい友達ができにくい」
「学生時代の友人と、自然に疎遠になっている」
「大人の友情って、どう育てればいいんだろう」
こんにちは、社会福祉士・ケアマネジャーをしているしおこめパパです。3大幸福論編・アラン編⑩、テーマは「アランに学ぶ友情の育て方5レッスン」です。
アランは『幸福論』の中で、友情を「上機嫌を分かち合える対等な関係」と定義しました。家族でも恋人でもなく、利害でもない、純粋な「並んで歩く関係」。今回はそのアラン流の友情観を、現代の大人の友達づくりに重ねて5つに整理してお届けします。
友情は、上機嫌を分かち合える、対等な並びの関係。
ケアマネ業務で晩年のご利用者と関わると、「友達がいる方」と「いない方」の心の景色の違いに何度も気づかされます。健康やお金より、友人の存在が老後の幸福度を決めているというのが現場の実感。アランの友情論は、その大事な関係を整えるための実用書です。
アランに学ぶ友情の育て方5レッスン
ここからご紹介する5つは、新しい友達を100人作る話ではなく、呼吸が合う数人と、長く関わるための実践です。すでにある関係をやわらかく整え直す視点として、読んでみてください。
① 友情は「対等な並び」の関係
アランは友情を「対等な並び」と捉えました。上下でも、依存でも、利害でもない、ただ「並んで歩ける」関係。これがアラン流の友情の核です。家族や恋人と違って、友情は役割がないからこそ純粋。
だから友情を育てるとき、頻度や深さよりも「対等であること」を意識する。年齢、収入、立場の違いを物差しに持ち込んだ瞬間、友情は薄まります。アドラー編㉔友情編「対等が育てる長く続く関係」と完全に重なります。
② 上機嫌を「分かち合う」が友情の本質
アランは「不機嫌を持ち寄る関係は、長続きしない」と書きました。友人と会うとき、お互いに愚痴や不機嫌を持ち寄るだけだと、関係は静かに痩せていく。逆に、上機嫌を分かち合うと関係はぐっと育ちます。
「最近うれしかったこと」「楽しかったこと」を1つ持ち寄って会う。それだけで、友情の質はまるごと変わります。会うたびに「お互いの上機嫌を増やして帰る」のがアラン流の友情です。
③ 「与える側」に立つ──連絡は自分から
⑥でも触れた「与える側に立つ」を、友情にも応用します。「相手から連絡が来るのを待つ」と、関係は徐々に途絶えます。アランの教えは、会いたいと思ったら、こちらから連絡する。これだけです。
「最近どう?」のひと言、誕生日のメッセージ、近況のスタンプ――どれも与えるアクションです。返信が遅くても気にしない。アドラー編㉔友情編「与える側に立つ」とまったく同じ。友情は、こちらから動く側のものです。
④ 「気が合わない時期」を受け入れる
アランは「友情にも波がある」と書きました。長く続く関係でも、気が合わない時期、距離ができる時期はあります。それは関係の終わりではなく、ただの波。波の上にいる時期と下にいる時期を、どちらも自然なものとして受け入れる。
「最近会ってないな、もう疎遠かな」と感じても、すぐ諦めない。半年後、1年後にひと言メッセージを送ってみると、自然に関係が戻ることはよくあります。波を受け入れる人だけが、長い友情を育てられるのです。
⑤ 「聴く力」が友情を深める
アランの友情論で最も実践的なのが「聴くこと」の価値です。話術ではなく、聴く力。自分の話をしたい衝動を抑えて、相手の話を最後まで聴く。これだけで、友情の深度はガラッと変わります。
「で、どうなった?」「それは大変だったね」――簡単な相槌だけで十分。大人の友情は「話す競争」ではなく「聴き合い」で深まる。これはケアマネ業務で日々実感している真理です。話す人より、聴ける人のもとに、人は集まります。
アランの『幸福論』を、もっと深めたい方へ
ここまでの5つのレッスンを読んで「アランが若き日に書いた言葉から、その思想の原型を辿りたい」と感じた方には、『アラン初期プロポ集 propos 1906-1914』(高村昌憲訳)がおすすめです。アランがルーアン時代に新聞連載していた初期プロポから127編を訳出した一冊。後年の『幸福論』に至る思考の流れが見える、希少な選集です。
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友情は「数」より「対等」
対等な並び、上機嫌を分かち合う、与える側に立つ、波を受け入れる、聴く力で深める――この5つは全部、「友情を育てるための、自分側の整え方」です。友情は相手次第ではなく、自分の在り方次第で深まる関係。アランはそれを100年前から示してくれました。
友達と距離ができる日があってもいい
連絡を取らない時期、会いたくない期間、「もう疎遠かも」と感じる夜――それでいいんです。距離は関係の終わりではない。空白の時間があっても、次に会ったとき「久しぶり」と言えれば、それで友情は続いています。今日は連絡しなくて大丈夫。あなたの中の友情は、ちゃんと残っています。
あわせて読みたい一冊
アランの哲学的な思考の構造を、もっと深く知りたい方には、『アラン著作集 1 思索と行動のために』(アラン/白水社)もおすすめです。「感覚」「経験」「推理」「行為」「情念」「道徳」「儀式」の7部からなる、アラン哲学の体系的な入門書。友情を含めた人間関係の土台が、より深く見えてきます。
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シリーズの今後について
次回⑪は「アランに学ぶ健康・身体の整え方5レッスン」をお届けします。アランが繰り返した「身体から心を整える」を、健康習慣の文脈で深掘りします。「3大幸福論編・アラン編」はシリーズ全30回まで継続予定です。
このシリーズの他の記事
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