※本記事はアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト)を含みます。紹介している書籍は、筆者が内容を確認したうえで掲載しています。
「仕事は回ってるけど、人付き合いがおろそかになっている」
「家族の時間が減っているのに、気づけば仕事ばかり」
「全部を回すなんて、無理じゃない?」
こんにちは、社会福祉士・ケアマネジャーをしているしおこめパパです。アドラーの教え編⑮、テーマは「ライフタスク(仕事・交友・愛)を回す5レッスン」です。
⑭で見た「立ち直りの整え直し」が個人の話だとすれば、今回は人生全体を回すための地図の話。アドラーが「人が向き合うべき課題」として整理した3つのライフタスク(仕事・交友・愛)を、毎日の暮らしの中で軽やかに回すための実践を、5つに整理してお届けします。
人生はひとつの役割じゃない。仕事・交友・愛、3つの場を回すから整う。
ケアマネとして高齢の方の人生を伺っていると、晩年の充実感は「仕事ひとすじ」だった方より、仕事・友人・家族のバランスを回し続けてきた方のほうがずっと高い印象があります。3つのタスクを回し続けた人生は、晩年の景色がやわらかい。アドラーが100年前に整理した「ライフタスク」は、今もそのまま生活設計の地図として効きます。
ライフタスクを回すアドラーの5レッスン
ここからご紹介する5つは、いまの暮らしの偏りを整え直すための実践です。「3つの場の循環」をどう作るか――この視点で読んでみてください。完璧に回す必要はありません。月単位・季節単位でゆるく往復できれば十分です。
① 「3つのタスク」を見える化して、偏りを知る
まずは自分の現在地を確かめましょう。アドラーは人生の課題を「仕事・交友・愛」の3つに分けました。仕事のタスク=働くこと・役割を果たすこと。交友のタスク=友人や同僚など対等な関係。愛のタスク=家族や恋人など、もっとも近い関係。この3つにどう時間と気持ちが配分されているかが、暮らしの偏りを決めます。
紙に3つの円を描いて、いまの自分の時間と気持ちがどれくらい入っているか書いてみてください。偏りに気づくことが、回しはじめの第一歩。気づければ、もう半分整っています。逆に、気づかないまま走り続けると、晩年に「あの時にこうしておけば」と言葉が出てしまうのです。
② 仕事のタスクは「貢献感」で回す
⑫で扱った仕事・キャリアの応用編として、仕事のタスクを軽やかに回すコツは「評価」ではなく「貢献感」です。誰かの役に立っている感覚を、自分の中に小さく持ち続ける。これが続ける力になります。評価は他人の物差し、貢献感は自分の物差し。アドラーは後者の側に立ちます。
大きな成果でなくていい。「今日は同僚のひと仕事を肩代わりした」「上司に資料を渡せた」――そんな小さな貢献の積み重ねが、仕事のタスクをしなやかに回します。一日の終わりに「今日、誰かの役に立てたこと」をひとつ思い出す習慣を持つと、貢献感は静かに育ちます。
③ 交友のタスクは「与える側」で回す
交友のタスクは、もらう側ではなく与える側に立つほうが軽く回ります。「会いたいな」と思った人にこちらから連絡する、相手の状況を一言気にかける――そんな小さなアクションで十分。⑥で扱った「共同体感覚」は、こういう小さな与えで育っていきます。
交友のタスクは、頻度より誠実さ。年に数回しか会わない友人でも、ちゃんと相手を覚えていて、ひと言気にかけられれば十分です。SNSの「いいね」より、たった一通の短文メッセージのほうが、関係をずっと深くします。
④ 愛のタスクは「ふたりで整える」で回す
⑬の夫婦・パートナーシップ編で扱った「ふたりで整える場」が、そのまま愛のタスクの実践になります。愛のタスクは、もっとも近いからこそ油断が出やすい場。だからこそ意識的に「整える時間」を確保するのがコツです。
週に一度、ふたりの予定を共有する。お子さんがいるなら、家族の予定もひとつ書き出す。「家庭の予定を見える化する」だけで、愛のタスクの優先度は自然に戻ってきます。仕事の優先順位は組まれているのに、家族の優先順位は組まれていない――この非対称が、愛のタスクを痩せさせる主犯です。
⑤ どれかひとつに「閉じこもらない」
アドラーが警戒したのは、3つのタスクのどれかに閉じこもってしまうこと。仕事ひとすじになれば交友が痩せ、家族にだけ向けば仕事が滞る。3つのタスクは行き来するから、整う――これがアドラーの基本の考え方です。
「今週は仕事に寄り過ぎたから、来週は友人と短く一杯」「家族の予定が多かったから、週末は自分の集中時間を入れる」――こうした意識的な往復が、人生を回す静かな技術になります。一日ごとの完璧より、一週間・一か月でのバランスを見れば十分です。
アドラー心理学を、もっと深めたい方へ
ここまでの5つのレッスンを読んで「仕事のタスクを、もう一歩深めたい」と感じた方には、『働く人のためのアドラー心理学』(岩井俊憲/朝日新聞出版)がおすすめです。働くという行為をアドラーの3つのライフタスクのひとつとして整理し、貢献感をベースに働き方を組み直す視点が詰まった一冊。職場や役割と健やかに付き合いたい方にぴったりです。

人生は「ひとつの場」じゃなく、「3つの場の循環」
アドラーが100年前に置いたライフタスクは、今の時代にもそのまま効きます。仕事を貢献感で、交友を与える側で、愛をふたりで整える――そしてどれかに閉じこもらない。この5つを意識すれば、人生の3つの場が静かに回りはじめます。完璧を目指さなくていい。ほんの少し意識を向けるだけで、暮らしの偏りは整っていきます。
偏ってしまう日があってもいい
仕事に寄り過ぎる日、家族に集中する週、誰とも会いたくない時期――どれも、あって当然です。偏ったまま長く続かなければ、それで十分。3つのタスクは一日で完璧に回す必要はありません。月単位、季節単位で、ゆるく往復していければOK。今日の自分の偏りに、ちゃんと気づいてあげるだけで、もう第一歩を踏み出しています。
あわせて読みたい一冊

シリーズの今後について
次回⑯は「不安・心配との付き合い方5レッスン」をお届けします。日常を曇らせる漠然とした不安を、アドラーの視点でほどいていく実践を整理します。「アドラーの教え編」はシリーズ全30回まで継続予定です。よろしければ、引き続きお付き合いください。
このシリーズの他の記事
- アドラーの教え編① 子育て・対人関係に疲れたときに効く「アドラー心理学の5つの基本」
- アドラーの教え編② 子育てで疲れたときに効くアドラー 5レッスン
- アドラーの教え編③ 対人関係(職場・友人)で疲れたときに効くアドラー 5レッスン
- アドラーの教え編④ 「課題の分離」を使いこなす5レッスン
- アドラーの教え編⑤ 「目的論」を使いこなす5レッスン
- アドラーの教え編⑥ 「共同体感覚」を育てる5レッスン
- アドラーの教え編⑦ 「勇気づけ」の実践5レッスン
- アドラーの教え編⑧ 「自己受容」を日常で続ける5レッスン
- アドラーの教え編⑨ アドラーを毎日の習慣にする5レッスン
- アドラーの教え編⑩ 怒り・イライラと付き合う5レッスン
- アドラーの教え編⑪ 劣等感とうまく付き合う5レッスン
- アドラーの教え編⑫ 仕事・キャリアで使うアドラー5レッスン
- アドラーの教え編⑬ 夫婦・パートナーシップに効くアドラー5レッスン
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