【アドラーの教え編⑭】失敗・挫折から立ち直る5レッスン|「もう無理」をほどく、アドラーの整え直し

※本記事はアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト)を含みます。紹介している書籍は、筆者が内容を確認したうえで掲載しています。

「もうダメだ」
「何で自分だけうまくいかないんだろう」
「立ち直り方が、わからない」

こんにちは、社会福祉士・ケアマネジャーをしているしおこめパパです。アドラーの教え編⑭、テーマは「失敗・挫折から立ち直る5レッスン」です。

⑬で見た「夫婦のための整え直し」と並んで、人生にはもうひとつ大きな整え直しのタイミングがあります。それが失敗や挫折のあと。誰にでも訪れるその瞬間に、アドラーがどう寄り添ってくれるか――今日はその実践を5つに整理してお届けします。「もう無理」をほどく、アドラーの整え直しです。

失敗は、人格の証明じゃない。ただの「出来事」にすぎない。

福祉現場では、利用者さんが転倒や入院をきっかけにガクッと落ち込むのを何度も見てきました。身体の挫折は、心の挫折に直結するんです。そして立ち直りが早い方ほど、「これは出来事であって、わたしじゃない」と切り離せている――現場で繰り返し気づいたことでした。今日はその切り離しの技術を、アドラーの言葉でほどいていきます。

失敗・挫折から立ち直るアドラーの5レッスン

ここからご紹介する5つは、大きな挫折にも、日々の小さなつまずきにも使える、汎用の整え直し術です。「もう無理」をやわらかくほどくための、5枚のカード――そんな気持ちで、ピンと来たものから取り入れてみてください。

① 失敗は「出来事」、自分そのものじゃない

アドラー心理学では、失敗の原因を「自分の性格」「能力のせい」と固定して考えるのを「劣等コンプレックス」と呼んで戒めます。④の「課題の分離」を、自分の中にも持ち込みましょう。「失敗した自分」と「自分そのもの」は別。出来事は出来事として、自分は自分として、いったん分けてください。

「ダメな自分」とラベルを貼ってしまうほど、立ち直りは遠くなります。「うまくいかなかった出来事があった」――この言い換えひとつで、心の重さがふっと変わります。出来事は処理できる。でも人格は処理しようがありません。だからまず、分ける。これが立ち直りの最初の一歩です。

② 目的論で、過去の「使い道」を書き換える

⑤の「目的論」では、過去は変えられないけれど、過去の意味は変えられると考えます。同じ挫折でも、「ダメだった証拠」にするか「ここから何を学ぶ材料」にするかは、自分の選択次第。過去ではなく、その過去をこれからどう使うか――そこに自由があります。

「あの失敗があったから、今のこの感度がある」。そう書き換えられた瞬間、挫折はただの過去から、未来への燃料に変わります。書き換えは大げさじゃなく、紙に小さく書き出すだけでも始められます。「あの経験は、いまの自分の何に効いている?」と一行だけ問いを置いてみてください。

③ 比べるのは「過去の自分」だけ

⑪で扱った劣等感は、誰かと比べた瞬間に強くなります。挫折のあとはとくに、SNSも周りの人もまぶしく見えるもの。アドラーが繰り返し言うのは「比べるなら過去の自分と」。他人の物差しを借りて、自分を測らないのがコツです。

3か月前の自分と比べて、ほんの少しでも進んでいる部分を探してみる。それは「気持ちの整え方を覚えた」「助けを求められるようになった」――そんな小さな変化で十分です。自分なりの目盛りで、自分を測り直す癖を持ちましょう。比較の物差しを取り戻すことが、立ち直りの土台になります。

④ 一歩を「分割」する

挫折の後、人はつい「すべてを取り戻したい」と一気に動こうとします。でもアドラーが説く「勇気づけ」は、もっと素朴です。小さな一歩を、毎日ひとつ。立ち直りを大きな決断にせず、習慣の連なりにしてしまう発想です。

「メールを1通返す」「布団を出る」「お湯を沸かす」――どんなに小さくてもいい。⑨で見た「アドラーを毎日の習慣にする」の応用編として、挫折の後こそ、生活を細かく分割して、確実に踏める一歩から始めましょう。階段を一段ずつ、というより、階段を一段ずつに切り直すイメージです。

⑤ 「ひとりで抱えない」を技術にする

⑥の「共同体感覚」は、失敗のときにこそ意味を持ちます。アドラーは「人は人の中でしか癒えない」と捉えました。挫折を一人で抱え続けると、見える世界がどんどん狭くなる。話す相手を持つこと、頼る技術を持つこと――これ自体が立ち直りの一歩です。

友人でも、家族でも、支援者でも構いません。「ちょっと聞いてくれる?」と切り出す勇気が、いちばん効きます。ケアマネとして言えるのは、人は頼られたほうも嬉しい、ということ。あなたが頼ることは、誰かを孤独から救うことでもあります。

アドラー心理学を、もっと深めたい方へ

ここまでの5つのレッスンを読んで「挫折のあとで、もう一度仕事や役割に向き合いたい」と感じた方には、『もしアドラーが上司だったら』(小倉広/プレジデント社)がおすすめです。挫けた主人公が、ドラさんという上司との関わりを通して、勇気づけられて立ち直っていく物語仕立て。読みながら、勇気づけのコツが自然に身につく一冊です。

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挫折は「終わり」じゃなく、「整え直しの合図」

失敗や挫折を、人格の証明にしないこと。出来事として切り離して、目的を書き換えて、過去の自分と比べて、小さな一歩に分割して、ひとりで抱えない。この5つは、どれかひとつから始めればいい――それで十分、明日の景色は変わります。挫折は人生の終わりではなく、整え直しの合図。アドラーはそう、静かに背中を押してくれます。

立ち直りが遅い日があってもいい

ふんばっても動けない日、布団から出られない日、誰にも話したくない日――それでいいんです。立ち直りに、決まったペースなんてない。今日は何もしない、ということを、自分にちゃんと許してあげてください。明日また、小さな一歩からで大丈夫です。回復は直線じゃなく、ゆるい螺旋。下がる日と上がる日を繰り返しながら、少しずつ整っていくのです。

あわせて読みたい一冊

今回の学びを「自分で自分を勇気づける力」に変えたい方は、『自分を勇気づけるアドラー心理学7つの知恵』(岩井俊憲/KKベストセラーズ)もおすすめです。落ち込みやすい自分を、外からではなく内側から立て直すための、7つのアドラー的知恵が詰まった一冊。失敗とのつきあい方を、技術として身につけたい方にぴったりです。

Amazon.co.jp: 自分を勇気づける アドラー心理学7つの知恵 (ディスカヴァーebook選書) eBook : 岩井俊憲: 本
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シリーズの今後について

次回⑮は「ライフタスク(仕事・交友・愛)を回す5レッスン」をお届けします。アドラーが人生の核に置いた3つのタスクを、毎日の暮らしの中で回すための実践を整理していきます。「アドラーの教え編」はシリーズ全30回まで継続予定です。よろしければ、引き続きお付き合いください。

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