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「自己肯定感を上げようとするほど、なぜか空回りする」
「ダメな自分を、どうしても受け入れられない」
「ポジティブになろうとすると、かえって疲れてしまう」
こんにちは、社会福祉士・ケアマネジャーをしているしおこめパパです。アドラーの教え編⑧、テーマは「自己受容」を日常で続ける5レッスンです。
「自己受容」は、このシリーズの土台にあたる考え方です。①でも触れましたが、ここで深掘りします。「できない自分」とどう付き合うか――これが整うと、課題の分離も勇気づけも、ぐっとやりやすくなります。
自己受容とは、「できる自分」を演じることではなく、「できない部分も含めて、これが今の自分」と等身大で受け取ること。
福祉の仕事は、思うようにいかないことの連続です。だからこそ「うまくいかない自分」とどう付き合うかが、長く働き続けるカギでした。その実感をこめて、5つのレッスンにまとめます。
「自己受容」を日常で続ける 5つのレッスン
自己受容は、一度たどり着けば終わりのゴールではなく、毎日くり返す習慣です。続けるためのコツを見ていきましょう。
① 自己肯定と自己受容は、違う
まず大事な区別です。自己肯定は「自分はできる、すごい」と思いこもうとすること。でも、できないことを「できる」と言い聞かせるのは無理が出ます。だから空回りするのです。
自己受容は違います。「できないことは、できないと認める。そのうえで、そんな自分をダメだと切り捨てない」。事実をねじ曲げず、評価だけをやめる。これが、無理なく続く受け入れ方です。
② 「60点の自分」を、採点せずに受け取る
今日の自分が60点だったとします。自己肯定は「いや100点だ」と背伸びし、自己否定は「60点なんてダメだ」と責めます。自己受容は、そのどちらでもありません。
「今日は60点。それが今の現在地」と、ただ受け取る。点数に良い悪いの評価をくっつけない。そして「では、61点にするには何ができる?」と前を向く。採点をやめ、現在地として扱うのが自己受容のコツです。
③ 「変えられること」と「変えられないこと」を分ける
アドラーは「ニーバーの祈り」という言葉を好みました。変えられないものを受け入れる落ち着きと、変えられるものを変える勇気、そしてその二つを見分ける賢さを、というものです。
自分の身長、生まれ、過去は変えられません。これは「受け入れる」対象。一方、今日の行動、ものの見方、習慣は「変えられる」対象。変えられないことに悩む時間を、変えられることに使い直す――自己受容は、この仕分けから始まります。
④ 比較をやめ、「昨日の自分」だけを基準にする
自己受容を最も壊すのが他人との比較です。SNSを開けば、自分より上に見える人がいくらでもいる。そこと比べているかぎり、受容は永遠に追いつきません。
アドラーが勧める基準はただひとつ、「昨日の自分」です。他人より優れているかではなく、昨日より一歩でも進めたか。競争の軸から降りて、成長の軸に乗りかえる。それだけで、心はずいぶん静かになります。
⑤ 自己受容を続ける小さな習慣:夜の「3行ふりかえり」
自己受容は、気持ちの持ち方より習慣で続けるのがおすすめです。私が続けているのは、寝る前の「3行ふりかえり」。①今日できたこと、②できなかったこと、③それでもOKと思える点、を一行ずつ書くだけ。
ポイントは、②を書いても③で必ず受け止めること。「企画書が進まなかった。でも、子どもの話はちゃんと聞けた」。できない自分と、それでも大丈夫な自分を、毎晩セットで確認する。小さな習慣が、受容を続く力に変えます。
アドラー心理学を、もっと深めたい方へ
ここまでの5つのレッスンを読んで「自己受容をふくむアドラー心理学の基本を、もっと体系的に学びたい」と感じた方には、『マンガでやさしくわかるアドラー心理学2』(岩井俊憲 著/日本能率協会マネジメントセンター)がおすすめです。主人公の成長物語を通して、ありのままの自分を受け入れるヒントがやさしく腑に落ちる一冊です。

自己受容は、向上心と両立する
「ありのままを受け入れたら、成長が止まるのでは?」とよく聞かれます。逆です。自分を責めているあいだは、エネルギーが「自己否定」に使われてしまう。今の自分を受け入れて初めて、その足場から次の一歩を踏み出せる。自己受容は、健全な向上心のスタート地点なのです。
受け入れられない日があってもいい
どうしても自分を許せない日、何をしてもダメに思える日――そんな日もあります。そんな日は、「今日は受け入れられない。それも、今日の自分」と、受け入れられないことごと受け入れてみてください。完璧な自己受容を目指さないことが、いちばんの自己受容です。
あわせて読みたい一冊
アドラー心理学の全体像をやさしく見渡したい方は、『イラスト&図解 知識ゼロでも楽しく読める! アドラー心理学』(西東社)もおすすめです。豊富なイラストと図解で、専門用語につまずかずに学び直せる一冊です。

シリーズの今後について
「アドラーの教え編」は、このあと⑨⑩へと続きます。⑨以降は、ここまでの考え方を毎日の習慣や具体的な場面にさらに落とし込んでいく予定です。引き続き、肩の力を抜いて読んでもらえたらうれしいです。


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