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「どこにいても、なんとなく居心地が悪い」
「人の輪に入っても、自分だけ浮いている気がする」
「『役に立てている』実感がなく、なかなか自信が持てない」
こんにちは、社会福祉士・ケアマネジャーをしているしおこめパパです。アドラーの教え編⑥、テーマは「共同体感覚」を育てる5レッスンです。
「共同体感覚」は、アドラー心理学のゴールとも言われる考え方です。むずかしそうな言葉ですが、中身はシンプル。「自分はここにいていい」「自分は誰かの役に立てている」という安心感のことです。
居場所は、誰かに与えてもらうものではなく、自分で育てていけるもの。その手順を知っているかどうかで、生きやすさは大きく変わります。
福祉の仕事をしていると、「孤立」がどれほど人を弱らせるかを毎日のように見ます。だからこそ、共同体感覚は誰もが意識的に育てていい「心の土台」だと感じています。今回は5レッスンでお伝えします。
「共同体感覚」を育てる5つのレッスン
共同体感覚は、生まれつきの性格ではありません。順番のあるスキルです。その育て方を、ステップで見ていきましょう。
① 共同体感覚とは「ここにいていい」という感覚
共同体感覚とは、ひとことで言えば「自分は、この世界の一員だ」という所属の感覚です。家族、職場、地域、もっと大きく言えば社会全体――そのどこかに「自分の場所がある」と感じられること。
この感覚があると、人は安定します。逆に「自分はどこにも属していない」と感じると、小さな出来事にも過剰に傷つきます。共同体感覚は、心のバランスを保つ底板のような役割を果たします。
② 自己受容→他者信頼→他者貢献の3ステップ
共同体感覚は、いきなり手に入るものではなく、順番があります。まず自己受容(ありのままの自分を受け入れる)。次に他者信頼(相手を仲間だと信じる)。最後に他者貢献(その仲間に役立とうとする)。
大切なのは順番です。自分を受け入れられていないと、人を信じる余裕は生まれません。人を仲間と思えないと、貢献は「見返りを求める取引」になってしまう。土台から順に積むのが、遠回りのようでいちばんの近道です。
③ 「貢献感」は、他人の評価がなくても持てる
共同体感覚の核は「貢献感」――「自分は誰かの役に立てている」という実感です。ポイントは、これが他人にほめられなくても成立すること。
家族のために夕食を作った。その事実だけで「貢献した」と自分で認めていい。「ありがとう」が返ってこなくても、貢献の事実は消えません。貢献感を、他人の反応に預けない。これができると、心がぐっと安定します。
④ 家庭で育てる:子どもの「ありがとう」体験
子どもの共同体感覚は、家庭で育ちます。コツは、子どもに「役割」と「ありがとう」をセットで渡すこと。お皿を並べる、ペットにごはんをあげる――小さな仕事で構いません。
そして、できたら必ず「助かったよ、ありがとう」と伝える。この積み重ねで、子どもは「自分はこの家の役に立っている」と感じます。それが「自分はここにいていい」という土台になり、家の外でも踏ん張る力になります。
⑤ 「大きな共同体」を思い出すと、悩みが軽くなる
職場や学校など、ひとつの共同体で行きづまったとき、アドラーは「もっと大きな共同体に目を向ける」ことを勧めます。今いる場所が世界のすべてではない、と思い出すのです。
この職場がつらくても、地域には別のつながりがある。社会には別の居場所がある。「逃げ道」ではなく「視野の広さ」として複数の共同体を持っておくと、ひとつの場所での失敗が、人生全体の失敗には感じられなくなります。
アドラー心理学を、もっと深めたい方へ
ここまでの5つのレッスンを読んで「共同体感覚をふくむアドラー心理学を、もっとやさしく学びたい」と感じた方には、『図解 勇気の心理学 アドラー超入門』(永藤かおる 著・岩井俊憲 監修/ぱる出版)がおすすめです。図解中心の構成で、アドラー心理学の要点を気軽につかめる一冊です。

居場所は「もらう」より「育てる」
「居心地のいい場所がない」と感じるとき、私たちはつい「与えてくれる場所」を探します。でも共同体感覚の考え方では、居場所は自分が一歩貢献することで、少しずつ温まっていくもの。受け取る前に、まず小さく差し出してみる。それが居場所づくりの最初の一歩です。
そう思えない日があってもいい
どんなに意識しても、「自分なんて」と居場所を見失う日はあります。それでいいのです。共同体感覚は、一度持てば消えない財産ではなく、日々あたため直すたき火のようなもの。冷えたら、また小さな薪をくべればいい。何度でもやり直せます。
あわせて読みたい一冊
共同体感覚を毎日の暮らしに根づかせたい方は、『嫌われる勇気』の続編『幸せになる勇気』(岸見一郎・古賀史健 著/ダイヤモンド社)もおすすめです。理論を「どう実践するか」に踏み込んだ一冊で、居場所感を育て続けるヒントが見つかります。

シリーズの今後について
次回⑦は、「勇気づけ」の実践です。「ほめる」でも「叱る」でもない第三の関わり方は、子育てにも、自分自身にも効きます。5レッスンでお届けします。


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