※本記事はアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト)を含みます。紹介している書籍は、筆者が内容を確認したうえで掲載しています。
「子どもに怒鳴ってしまって、毎日自己嫌悪になる」
「職場の小さな一言にイラッとして、何時間も引きずる」
「アンガーマネジメントを学んでも、その瞬間にはやっぱり消えない」
こんにちは、社会福祉士・ケアマネジャーをしているしおこめパパです。アドラーの教え編⑩、テーマは「怒り・イライラと付き合う5レッスン」です。
⑨でアドラーを「習慣にする」コツを見てきました。今回は、その習慣化がいちばん試される感情、怒り・イライラと向き合います。アドラーは怒りを「悪い感情」とは考えません。「目的を持って使われる感情」と捉えます。この見方ひとつで、付き合い方は大きく変わります。
怒りは、突然降ってくるものではなく、自分が「ある目的のために」選んで使った感情。敵ではなく、サインです。サインの意味さえ読めれば、振り回されずに済みます。
福祉の現場でも、利用者さんやそのご家族が怒りを向けてくる場面は珍しくありません。そのたびに反応していたら、こちらが先に倒れます。アドラー的な「感情の使い方」は、自分を守りながら相手にも届く関わり方を作る土台になりました。今回は5つのレッスンで共有します。
怒り・イライラと付き合う5つのレッスン
怒りを抑え込むのではなく、怒りの「目的」と「使い方」を変えていきます。我慢でも爆発でもない、第三の道です。
① 怒りには「目的」がある――感情を目的論で読む
⑤の目的論を、感情に当てはめます。怒鳴ったとき、私たちは「カッとなったから」と説明しますが、アドラー的には「相手を動かす/自分の主張を通すという目的のために、怒りを選んだ」と読みます。
これは自分を責める視点ではなく、「他の手段でもその目的を果たせるのでは?」と気づくための視点です。「落ち着いた声で頼む」「黙ってその場を離れる」――別の道が見えた瞬間、怒りに頼らずに済むようになります。怒りは選択肢のひとつにすぎません。
② 「怒る前の6秒」より、「怒ったあとの6時間」が効く
アンガーマネジメントの定番に「6秒数える」があります。効くこともありますが、現実にはカッとなる前に数えられるなら、苦労していないのが本音です。アドラー的なおすすめは、怒ったあとの6時間にフォーカスを置くこと。
怒ってしまったあとの6時間で、「あの怒りは、何を伝えたかったのか」を一度だけ考えます。「もっと話を聞いてほしかった」「ないがしろにされた気がした」――怒りの下にある本当のニーズが見えると、次の場面で同じ怒り方をする回数が、少しずつ減っていきます。
③ 「怒り」を「リクエスト」に翻訳する
怒りの下には、たいてい未充足のリクエストが眠っています。「もっと尊重してほしい」「先に相談してほしかった」「もう少し時間がほしい」。怒りは、それを言葉にする前のサインです。
「なんで!」「ふざけるな!」を、「私は、こうしてほしかった」のかたちに翻訳して伝えます。これだけで、相手は防御モードから対話モードに切り替わります。⑦の「勇気づけ」を、自分の怒りに対しても使うイメージです。怒りを抑えるのではなく、「翻訳して届ける」のがアドラー流です。
④ 怒ってしまった日は、24時間以内に言い直す
うまく抑えられず、怒鳴ってしまった日。そのまま放っておくと、関係にうっすらした傷が残ります。24時間以内に、もう一度言い直すのを習慣にします。「さっきは強い言い方をした。本当は、こう伝えたかった」。
言い直すのは「謝る」とは少し違います。謝罪より、リクエストのやり直しです。子どもにもパートナーにも、これができる大人はとても信頼されます。完璧に怒らないことより、怒ったあとに丁寧に戻れることのほうが、関係の質を決めます。
⑤ 自分の「イライラ・センサー」を観察記録する
イラッとしやすい場面には、自分なりのパターンがあります。寝不足の朝、空腹の夕方、特定の話題、特定の相手――2週間ほどメモするだけで、自分の「センサーが鋭敏になる条件」が見えてきます。
パターンが見えると、「ここは怒りやすいから、先に対策しておく」という予防が打てます。早めに寝る、軽食をとる、その話題はメールで処理する――感情を根性で抑えるのではなく、環境を整えて感情を起こりにくくするのがアドラー流のリアルな対処です。
アドラー心理学を、もっと深めたい方へ
ここまでの5つのレッスンを読んで「怒りやイライラを、もっと角の立たない言葉で伝えたい」と感じた方には、『アドラー流 たった1分で伝わる言い方』(戸田久実 著・岩井俊憲 監修/かんき出版)がおすすめです。アドラー心理学を土台に、苦手な相手・言いづらい場面で使える短い言いまわしを多数まとめた、実践派の一冊です。

怒りは「悪い感情」ではなく「サイン」
怒りを消そう・抑えようとするほど、たいていは逆効果です。アドラーの見方では、怒りは「自分のなかの未充足のニーズ」が出している大切なサイン。サインをサインとして受け取り、必要なリクエストに翻訳して相手に届ける――そこまでが「怒りを使う」ということ。我慢でも爆発でもない、第三の選択肢です。
怒ってしまった日があってもいい
子どもに、パートナーに、同僚に、つい強く言ってしまった日。そんな日があって当たり前です。大事なのは、その夜にこの記事を思い出して、「明日また1つ言い直そう」と思えること。戻れる人は、何度でも関係を育て直せる。怒りに完璧に勝つことより、丁寧に戻る回数を増やしていきましょう。
あわせて読みたい一冊
アドラー心理学の感情の捉え方を、より深く学び直したい方は、『アドラー心理学入門 よりよい人間関係のために』(岸見一郎 著/ベスト新書)もおすすめです。『嫌われる勇気』の著者が、目的論や対人関係の基礎を新書サイズでていねいに解説した、入門書の定番です。

シリーズの今後について
「アドラーの教え編」は、今後シリーズ全30回まで継続予定です。⑪以降は、劣等感・仕事・夫婦関係・お金の不安・SNS疲れなど、日常の具体テーマにさらに踏み込んでいきます。引き続き、肩の力を抜いて読んでもらえたらうれしいです。


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