アドラー流㉔「友情・大人の友達」5レッスン|対等で長続き

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「気づけば、心から話せる友人がいない」
「学生時代の友達と、なんとなく疎遠になっている」
「大人になってからの友達って、どう作ればいいんだろう」

こんにちは、社会福祉士・ケアマネジャーをしているしおこめパパです。アドラーの教え編㉔、テーマは「友情・大人の友達づくりに効くアドラー5レッスン」です。

㉓で扱った「老いる勇気」と並んで、年齢を重ねるほど効くのが友情の整え方です。アドラーは「人は人の中でしか癒えない」と説きました。大人の友情は、若い頃のような毎日会う関係ではなく、ぐっと密度の濃い形で整え直すもの。今日はその実践を5つに整理してお届けします。

大人の友情は、頻度より誠実さ。深さは、距離ではなく敬意で決まる。

ケアマネとして高齢のご利用者と関わっていると、晩年に「友人がいる方」と「いない方」の心の景色がまるで違うと感じます。お金や健康より、友人の有無が幸福感を左右するのが現場の実感です。だからこそ、40代・50代のうちに友情を整え直す価値があるんです。

大人の友達づくりに効くアドラーの5レッスン

ここからご紹介する5つは、新しく友達を作るより、今ある関係を深く整え直すための実践です。「友達100人」を作る話ではなく、本当に呼吸が合う数人と、長く関わるための整え方です。

① 友達を「対等な相手」と捉える

⑥の「共同体感覚」が、友情の核です。アドラーは「友情は対等な関係でしか育たない」と説きました。年齢、立場、収入、学歴――そういう物差しを持ち込んだ瞬間、関係は崩れます。友達は、ひとりの人として向き合う相手です。

「あの人のほうが上」「自分の方が下」と感じた瞬間、深い友情は育ちません。逆に「私たちは、ただ一緒に時間を過ごせる人だ」と思えた瞬間、関係は深まります。対等は、距離を取ることではなく、敬意を持つことです。

② 「もらう」より「与える」側に立つ

大人の友情で疲れる人は、たいてい「もらえなかったこと」を数えています。連絡をくれない、覚えていない、誕生日に何もない――気持ちはわかります。でもアドラーは「与える側に立つ」ことを基本姿勢とします。

与えるとは、見返りなしに何かを渡すこと。「会いたい」と思った人にこちらから連絡する、相手の状況を一言気にかける、誕生日を覚えておく――そんな小さな与えで、関係は静かに育ちます。友情は、こちらから動く側のものです。

③ 「聴く力」で関係を深める

友情を深めるいちばんの技術は、話術ではなく聴く力です。アドラー流に言えば、聴くとは「相手の世界に入る勇気」のこと。自分の話をしたい衝動をいったん置いて、相手の話を最後まで聴く。それだけで友情の深度がガラッと変わります。

「で、どうなったの?」「それは大変だったね」「あなたはどう感じた?」――簡単な相槌と質問だけで、相手は自分のことを話せます。大人の友情は「話す競争」ではなく「聴き合い」で深まるのです。

④ 比較ではなく尊重で続ける

友達を持つほど、ふと比べたくなる瞬間が訪れます。「あの人のほうが成功している」「自分は遅れている」――でも⑪で扱った劣等感を友情に持ち込むと、関係は痩せます。アドラーは「比較は自分の中だけにとどめる」と説きました。

友達の成功は、敵じゃなく仲間の成功。「やったね、すごい」と素直に言える自分でいられるかどうか。これが大人の友情を続ける、いちばん静かな技術です。比較の代わりに、尊重を渡す。それだけで関係は長く続きます。

⑤ 距離感は「課題の分離」で整える

④の「課題の分離」を、友情にも応用します。会う頻度、連絡のテンポ、深い話をするか――どれも自分の課題。相手のテンポは相手の課題で、それに合わせて自分が無理する必要はありません。

「もっと連絡したほうがいいかな」「気を悪くしてないかな」と気を揉むのは、相手の課題に踏み込みすぎ。自分のペースで、自分の誠実さを渡す。相手が応じるかどうかは、相手に委ねる。これが長く続く友情の距離感です。

アドラー心理学を、もっと深めたい方へ

ここまでの5つのレッスンを読んで「聴く力をもう一歩深めたい」と感じた方には、『アドラー流 一瞬で心をひらく聴き方』(岩井俊憲/かんき出版)がおすすめです。聴くことで関係が深まるアドラーの技術を、やわらかい語り口でまとめた一冊。友情にも、夫婦にも、職場にも効きます。

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大人の友情は、頻度ではなく「敬意」で続く

対等で見て、与える側に立ち、聴く力を磨き、比較ではなく尊重で続け、距離感は課題の分離で整える――この5つは全部、「数より、深さ」を目指す実践です。大人になってからの友情は、毎日のLINEで作るものではなく、一年に一度の誠実な連絡で十分育つもの。アドラーの言葉は、そんな静かな関係を支えてくれます。

友達と距離ができる日があってもいい

しばらく連絡を取っていない日、会いたくない時期、「もう疎遠かな」と感じる夜――それでいいんです。距離ができることは、関係が終わることじゃない。空白の時間があっても、次に会ったときに「久しぶり」と言える関係が、大人の友情です。今日は連絡しなくても大丈夫。あなたの中の友情は、ちゃんと続いています。

あわせて読みたい一冊

今回の学びを職場の人間関係にも応用したい方は、『アドラーに学ぶ職場コミュニケーションの心理学』(小倉広/日経BP社)もおすすめです。同僚・上司・部下といった「友達ではない大人の関係」を、アドラーの視点で整える一冊。友情の隣にある、長く関わる関係への投資になります。

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シリーズの今後について

次回㉕は「完璧主義をゆるめる5レッスン」をお届けします。「100点でないと気がすまない」自分を、アドラーの言葉でやわらかくほどく実践を整理します。「アドラーの教え編」はシリーズ全30回まで継続予定です。

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