アドラー流㉗「自分を大切に」5レッスン|叱らずほめずに育つ自尊心

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「子どもの自尊心、ちゃんと育っているか心配」
「叱るのも、ほめるのも、なんだか違う気がする」
「『自分を大切にしてほしい』って、どう伝えればいいの?」

こんにちは、社会福祉士・ケアマネジャーをしているしおこめパパです。アドラーの教え編㉗、テーマは「アドラーで子どもに伝える『自分を大切に』5レッスン」です。

㉑で「子どもの巣立ち」を扱いましたが、巣立ちの前にいちばん大事なのは、子どもが自分自身を大切にできること。アドラーの子育ては「叱らない・ほめない」が有名ですが、その奥にあるのは、子どもの自尊心を育てる確かな哲学です。今日はその実践を5つに整理してお届けします。

「自分を大切に」は、教えるものじゃない。親自身が、自分を大切にして見せること。

ケアマネ業務で高齢のご家族と話していて、自分を大切にできている方ほど「親が自分のことを大切にしてくれた」という記憶を持っていることに気づきます。逆に、自分を粗末にしがちな方は、子ども時代に条件付きの愛を受けてきた印象がある。アドラーの子育ては、その大事な土台を作る教育論なんです。

子どもに「自分を大切に」を伝えるアドラーの5レッスン

ここからご紹介する5つは、就学前から思春期、独立後まで使える普遍的な実践です。叱るのでも、ほめるのでもない第三の関わり方を、5つのカードに整理しました。

① 子どもの「課題」と親の「課題」を切る

④の「課題の分離」を、子育てに応用するのが第一歩です。宿題、進路、交友関係、進学、就職――どれも基本的には子どもの課題。親が代わりに悩むほど、子どもの自己決定の筋肉は痩せていきます。

もちろん見守りは必要、必要なら助けます。でも「決めるのは子ども」。これを守るだけで、子どもの中に「自分の人生は自分のもの」という土台が育ちます。自分を大切にする力の原料は、ここにあります。

② 「ほめる」より「勇気づける」

アドラーが警戒したのが「ほめる」関わりです。ほめるは「上から評価する」関わりで、子どもを評価依存にしてしまう。アドラーが推奨するのは⑦で扱った勇気づけ。共に立つ姿勢で、子どもの努力を言葉にする関わりです。

「えらいね」「すごいね」より、「がんばってたね、見てたよ」「○○できるようになったね」と過程や事実を言葉にする。これだけで、子どもは「親の評価を気にする子」ではなく「自分の物差しを持つ子」に育ちます。

③ 失敗を「人格」じゃなく「出来事」に分けて伝える

⑭で扱ったように、失敗は「人格の証明」ではなく「出来事」。これを子どもにも繰り返し伝えるのが、自分を大切にできる子を育てるコツです。「あなたはダメな子」ではなく「うまくいかない出来事があった」と分けて話す。

「失敗してもいいよ、出来事として一緒に振り返ろう」と言葉にできれば、子どもは失敗を恐れずに挑戦するようになります。失敗=自分の価値が下がる、にしない。これは生涯使える、自分を守る盾になります。

④ 子どもを「対等な相手」として見る

⑥の「共同体感覚」を、親子に応用します。アドラーは「親子も対等」と説きました。年齢や知識の差はあっても、ひとりの人間としての価値は対等。これが土台にあると、子どもは「自分は尊重される存在だ」と内側で確信します。

小さな子にも、丁寧に説明する。意見を聞く。「お父さん/お母さんはこう思うけど、あなたはどう?」と聞く。対等な相手としての言葉づかいが、子どもの自尊心を一番深く育てます。

⑤ 親自身が「自分を大切に」を実践する

いちばん大事なのが、これです。アドラーは「親は子どもの最大の手本」と捉えました。親自身が自分を大切にする姿を見せること。これに勝る教育はありません。⑮のライフタスクで触れた仕事・交友・愛のバランスを、親自身が回す姿を見せる。

親が自分を粗末にしながら「あなたは自分を大切にね」と言っても、子どもは身体で覚えます。「親はぼろぼろなのに、自分だけ大切にするのか」と。あなたが整っている姿が、最大のメッセージ。自分を大切にする親が、自分を大切にできる子を育てます。

アドラー心理学を、もっと深めたい方へ

ここまでの5つのレッスンを読んで「家族と笑顔の時間を取り戻したい」と感じた方には、『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』(熊野英一/小学館クリエイティブ)がおすすめです。アドラー流の関わり方を、父親目線でやわらかくまとめた実用書。母親が読んでも、もちろん効きます。

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「自分を大切に」は、親の背中で伝わる

課題を切る、ほめずに勇気づける、失敗を出来事として扱う、対等に見る、親自身が自分を大切にする――この5つは全部、「親の在り方が、子の在り方を作る」という大前提から始まっています。アドラーの子育ては、子どもを変える方法ではなく、親が整うことで子が育つ方法。気が長いように見えて、いちばん近道です。

うまく言えない日、強く言ってしまう日があってもいい

感情的に怒ってしまった日、子どもを比べてしまった日、ほめすぎてしまった日――どれも、あって当然です。完璧な親はいない。アドラーは親に対しても「不完全である勇気」を渡す哲学です。今日は強く言ってしまった、明日は丁寧に話そう。それで十分、子どもは育っていきます。

あわせて読みたい一冊

子ども自身がアドラーの言葉を手にとってほしい方には、『自分で決められる人になる! 超訳こども「アドラーの言葉」』(齋藤孝/KADOKAWA)もおすすめです。子ども目線でアドラーの言葉をわかりやすく超訳。親子で一緒に読むのにも、思春期の子に渡すのにもちょうどよい一冊です。

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シリーズの今後について

次回㉘は「アドラー流の言葉づかい(毎日の声かけ)5レッスン」をお届けします。家族・職場・友人――どの場面でも効く、関係をやわらかくほどく言葉づかいを整理します。「アドラーの教え編」はシリーズ全30回まで継続予定です。

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