アドラー流㉚ 幸福論を深掘り|3大幸福論編への橋渡し

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「アドラーの教え編、ついに最終回」
「結局、アドラーの考える幸福って何だったんだろう」
「もっと深く、幸福について学んでいきたい」

こんにちは、社会福祉士・ケアマネジャーをしているしおこめパパです。アドラーの教え編㉚、テーマは「幸福についてのアドラーの教えを深掘り|次シリーズへの橋渡し」です。

シリーズ全30回、長い旅にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。最終回の今日は、アドラーが100年前に描いた「幸福」の輪郭をもう一度なぞり、そして次のシリーズ「3大幸福論編」――アラン・ヒルティ・ラッセルへ、そっと橋を架けます。

幸福は、感じる状態ではなく、生きる態度。誰かに与えられるものではなく、自分で作るもの。

ケアマネとして数百人の方の人生を伺ってきて、確信していることがあります。それは「幸福は、状況ではなく態度で決まる」ということ。同じ環境にいる人が、まったく違う幸福度を感じている。違いを生むのは、たいてい本人の中の物の見方です。アドラーの幸福観は、その「物の見方」を整えるための言葉で出来ています。

アドラーの「幸福」を深掘りする5レッスン

ここからご紹介する5つは、アドラーが描いた幸福の核を、シリーズ全体を踏まえて「もう一段深く」整理したものです。最終回らしく、これまでのテーマがゆるく重なり合う構成になっています。

① アドラーの「幸福」は感情ではなく「状態」

アドラーが幸福を語るとき、それは「嬉しい」「楽しい」といった一時的な感情ではありません。アドラーが捉えた幸福は「貢献感を持ちながら、自分の人生を生きている状態」のこと。状態は感情と違って、波に左右されず、安定しています。

だから幸福は「探す」ものではなく、「作り出す」もの。感情を追いかけるのではなく、状態を整える。⑮のライフタスク、㉒のセルフケア、㉖の朝夜習慣――シリーズの実践はすべて、この「状態の整え方」に行き着いていました。

② 幸福の核は「貢献感」

⑥の「共同体感覚」と⑳の中間総括で繰り返してきた通り、アドラーが幸福の核に置いたのは「貢献感」です。誰かの役に立っているという感覚は、肩書きや成功の有無に関係なく、自分の中で生み出せるもの。

家族にお茶を淹れる、同僚を一瞬手伝う、誰かをそっと応援する――どれも貢献感の原料です。アドラーが渡してくれたのは、「貢献感を、自分の手元で作る方法」。これがシリーズ全体を貫く中心線でした。

③ 「自己受容→他者信頼→他者貢献」の循環

アドラーは幸福を循環で捉えました。自己受容(⑧)→他者信頼(⑥)→他者貢献。できない自分を受け入れた人だけが、他者を信頼でき、信頼できた人だけが、他者に貢献できる。そして貢献感が、また自己受容を支える。

この循環が回り始めると、人は外側の評価に左右されなくなります。幸福は、外から来るものではなく、循環の中で自家発電するもの。アドラーの幸福論の本質は、ここにあります。

④ 「いま、ここ」の幸福――過去と未来の手放し方

⑭の挫折編、⑯の不安編、⑱のお金編で繰り返した通り、人を消耗させるのは過去への後悔と未来への不安です。アドラーが「目的論」を通して教えたのは、過去の意味は変えられるし、未来は「今」をどう生きるかで作られるということ。

幸福は、過去や未来ではなく「いま、ここ」にしか宿りません。今日の自分が、今日できる小さな貢献に集中する。それだけで、人は十分幸福でいられる。アドラーが最終的に渡してくれた、いちばん静かな知恵です。

⑤ 次シリーズへ――アラン・ヒルティ・ラッセルの「幸福論」へ

ここからは、シリーズ完結のご挨拶を兼ねた橋渡しです。次のシリーズは「3大幸福論編」。哲学者アラン、神学者ヒルティ、数学者ラッセル――いずれも幸福について深い著作を残した思想家です。アドラーが心理学から幸福を語ったように、彼らも別の角度から幸福の輪郭を描きました。

アランの『幸福論』は、上機嫌でいる技術を語ります。ヒルティの『幸福論』は、規律と信仰のなかに幸福を見ます。ラッセルの『幸福論』は、知性で不幸の原因を分析します。アドラーで作った地盤の上に、別の角度の幸福論を重ねていく――次のシリーズでは、各思想家を30回ずつ、丁寧に紐解いていきます。

アドラー心理学を、もっと深めたい方へ

シリーズ最終回として「アドラーの幸福観を、もう一度きちんと辿りたい」方には、『アドラーに学ぶ どうすれば幸福に生きられるか』(岸見一郎/KKベストセラーズ・ベスト新書)がおすすめです。自己肯定感、恋愛、結婚、老い、病気、死など、具体的なライフステージに紐づけて幸福を語る、岸見先生の集大成的な一冊です。

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幸福は「探すもの」ではなく「作るもの」

幸福は状態であり、貢献感が核であり、自己受容→他者信頼→他者貢献の循環であり、いま・ここに宿り、これからアラン・ヒルティ・ラッセルと続いていく――この5つは、シリーズ30回を通じて少しずつ姿を現してきたアドラーの幸福観の全景です。幸福は誰かに与えられるものではなく、自分の手で作るもの。アドラーが100年前から渡し続けてくれたメッセージを、これからも日々の暮らしの中で実践していきましょう。

幸福を感じられない日があってもいい

シリーズの最後にひとつだけ、お伝えしておきます。毎日が幸福である必要はありません。落ち込む日、無気力な日、誰にも会いたくない日――どれもあって当然です。それでも、明日朝にひと言「ありがとう」と誰かに渡せたら、それで十分。幸福は連続でなくていい。断続でいい。戻ってこられる場所を持っているかどうか――それが、アドラーが最後に渡してくれたメッセージです。長い旅、本当にありがとうございました。

あわせて読みたい一冊

アドラーから次シリーズへの橋渡しとして、ぜひお手元に置いてほしいのが、『生きづらい時代の幸福論――9人の偉大な心理学者の教え』(諸富祥彦/角川oneテーマ21)です。アドラーを含めた9人の偉大な心理学者の幸福観を、現代の生きづらさの中で読み解く一冊。次シリーズ「3大幸福論編」へ進む前に、視野を広げてくれます。

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「アドラーの教え編」完結/次シリーズのお知らせ

全30回の「アドラーの教え編」、お付き合いいただき本当にありがとうございました。次回からは新シリーズ「3大幸福論編・アラン編」がスタートします。アラン『幸福論』を、アドラーで培った視点で、30回かけて丁寧に紐解いていきます。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

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